カレッジマネジメント204号
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26短期大学基準協会には私立短期大学の91.7%(299校)が会員として所属しており、当協会の第三者評価(認証評価)による適格認定を受けて教育の質保証を図っている。第2サイクルの短期大学評価基準は、中央教育審議会の「学士課程教育の構築に向けて(答申)」(平成20年12月)で示された、学生の学習成果、三つの方針、PDCAサイクル等を評価基準に取り入れ、教育の質保証においては学習成果を焦点にした査定(アセスメント)を向上・充実の手法に加え、「基準Ⅰ 建学の精神と教育の効果」「基準Ⅱ 教育課程と学生支援」「基準Ⅲ 教育資源と財的資源」「基準Ⅳ リーダーシップとガバナンス」の4基準と「教養教育」「職業教育」「地域貢献」の選択的評価を設け、自らの経営分析による経営の健全化を図るとともに、各短期大学の建学の精神に基づいた特色ある教育について、より一層の向上・充実を図る自己点検・評価を求めた(図表1)。当協会の認証評価の仕組みは、米国西地区学校・大学基準協会(WASC)二年制高等教育機関認定委員会(ACCJC)のアクレディテーションの手法を取り入れており、第2サイクルからはACCJCと連携協定を締結し、当協会の適格認定の国際通用性を担保している。WASCは、米国の高等教育認定協議会(CHEA)の認定を通して全米6地区にあるその他の大学基準協会と連携しており、CHEA自身も組織している国際的質保証グループ (CIQG)によって、世界中の認定機関や品質保証組織と連携し米国の高等教育の国際通用性を維持している。したがって、当協会の認証評価はグローバル・スタンダードに則るものである。第2サイクルは平成23年度から開始したが、4基準による評価は平成24年度からの開始となった。実施状況は図表2の通りである。学生の学習成果が、「学習者が一定の学習期間を終えた時に“どのような知識や理解に至り、何ができるようになっているか”を明らかにしたもの」として会員校に共通認識されるには時間を要したが、第2サイクルの最終年を迎えた今、漸く浸透してきた。しかしながら、そのエビデンスの測定には私学の特色でもある建学の精神がもたらす教育の目標と人材の育成と同様に多様であり、定着を見ることはできなかった。三つの方針は、学習成果を焦点とした査定(アセスメント)の理解・認識とともに、平成28年3月31日中央教育審議会大学分科会大学教育部会の策定及び運用に関するガイドラリクルート カレッジマネジメント204 / May - Jun. 2017短期大学基準協会の評価基準の考え方と変更ポイント短期大学基準協会第2サイクルの成果と課題原田博史短期大学基準協会第三者評価委員会委員長図表1 教育の質保証のための PDCA
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