カレッジマネジメント204号
28/72

282015年に創立130周年を迎えた中央大学は、今後の10年間を見据えた中長期事業計画を策定した。Chuo Vision 2025がそれであり、図表1に見るように4本の柱からなる。このうち4つもの新学部の設置は注目される。少子化が加速するなか、学部の新設には足踏みをする大学が増えているが、中央大学は敢えて大胆に打って出ようとしているからである。まず、第1の柱である新学部設置について、その計画を概観しよう。4つの新学部とは、現在の総合政策学部を軸にした発展的改組による3つの新学部と、それとは別の1つの新学部である。改組による3つの新学部とは、政策系、国際系、ICT系の各学部を構想している。総合政策学部の入学定員からの純増となるか定員の再配分となるかは、現在調整中とのことである。この新学部設置で重要なことは、3学部に分離しても、教員組織は学部ごとに分離せず、学術院という大きな単位としてそのまま維持することである。教員の所属組織と学生のそれとを同一とするのが日本の大学の特徴であったが、近年、教員組織の稼働性を高めるためにこれらを分離する大学が増加傾向にある。中央大学も新学部設置にあたってその方式を導入しようとしているのである。もう1つの新学部はこれまでの学部構成にはない新たなもので、健康・福祉・スポーツ系学部である。スポーツ系というとアスリリクルート カレッジマネジメント204 / May - Jun. 2017眠れる獅子の目覚め中長期事業計画をどう稼働させるか酒井正三郎 総長・学長中央大学C A S E1Chuo Vision 2025:4学部の新設計画図表1 中長期事業計画ロードマップ2016201720182019202020212022202320242025教育組織の改編・創設第1期事業計画第2期事業計画キャンパス整備グローバル戦略スポーツ振興事業新学部構想検討設置認可申請中間見直し新学部スタート教員組織検討「グローバルFLP」の構築「国際共同研究ネットワーク」の構築オナーズ部門の推進推進体制構築スポーツ振興部門の推進キャンパスマスタープラン多摩キャンパス整備後楽園キャンパス整備教育組織の再配置東京オリンピック・パラリンピック事業計画の実行・成果・検証、次期事業計画の策定準備事業計画の具体化・実行体制整備・環境整備事業計画の成果・検証

元のページ  ../index.html#28

このブックを見る