カレッジマネジメント204号
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44大学入学者選抜に係る新たなルールや調査書・提出書類等の改善については、高大接続システム改革会議の最終報告(平成28年3月31日)を踏まえ、現在、高等学校や大学関係者等による「大学入学者選抜方法の改善に関する協議」(以下「改善協議」という。)の場で検討を進めている。その際、「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」の検討状況も踏まえつつ、検討している。昨年8月には、「高大接続改革の進捗状況について」の一環として、これら新たなルール等の検討状況を公表しており、その主な内容は以下の通りである。大学入学者選抜に係る新たなルールに関する論点について各大学の入学者選抜において、「学力の3要素」を多面的・総合的に評価することができるよう、「大学入学者選抜実施要項」(以下「実施要項」という。)上の選抜方法の区分について、「学力の3要素」に関する評価方法や比重等に応じた設定の在り方を検討している。あわせて、選抜の応募・実施時期だけでなく、合格発表時期も含めた入学者選抜のプロセスについて、一定の基準を設けることを検討している。具体的には以下の通りである。(1)「AO入試」、「推薦入試」、「一般入試」の在り方○各大学の入学者選抜において、「学力の3要素」を多面的・総合的に評価することができるよう、実施要項における「AO入試」「推薦入試」「一般入試」の在り方を見直す。(例) ・実施要項の「知識・技能の修得状況に過度に重点をおいた選抜とせず」(AO入試)、「原則として学力検査を免除し」(推薦入試)の記載の削除 ・具体的な教科・科目の履修を前提としない小論文、プレゼンテーション等の評価については、現行でも2月1日より前から実施可能であることを明確化  ・大学の入学者受入れの方針に照らして、どの教科・科目を重視するのかを明記し高等学校での単位修得や一定水準以上の評定を出願要件等として設定する ・「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」をより適切に評価する「調査書」等の資料の積極的な活用を重視する  ・各大学において、「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」の積極的な活用を図るとともに、出題科目の見直しや、より解答の自由度の高い記述を課す問題等も含めた作問の改善、小論文等の導入等を重視する等(2)選抜の実施時期等○高等学校教育への影響等を考慮するとともに、円滑な実施が確保できるよう留意しつつ、選抜の実施時期や合格発表の時期等について、一定の基準を設ける。調査書・提出書類等の改善に関する対応等について(検討中の案)調査書・提出書類の改善に関する対応等について、検討中の案は次の通りである。(1)調査書の見直し○生徒の特長や個性、多様な学習や活動の履歴についてより適切に評価することができるよう、現行の「指導上参考となる諸事項」の欄を拡充するとともに、各項目ごとに記リクルート カレッジマネジメント204 / May - Jun. 2017寄 稿大学入学者選抜に係る新たなルールや調査書・提出書類等の改善に関する検討状況について橋田 裕 前文部科学省高等教育局 大学振興課大学入試室長

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