カレッジマネジメント205号
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17リクルート カレッジマネジメント205 / Jul. - Aug. 2017次に2008-2012年の減少上位20位を見ると、上位4位までが社会科学系で占められており、当時これらから志願者が離れたことを示している。ちなみに、上位20学科中10学科と実に半数が、先ほどの2013-2016年で増加に転じている。具体的には、2位から9位、11位、20位に該当する学科であり、学科のトレンドの入れ替わりが起こっていることが分かる。さらに2013-2016年の減少上位20位を見ると、1位は医療技術学。2008-2012年には増加の4位に入るほど志願者を増やしていたものだ。医療系が順調な中、医療技術だけが志願者減に転じてしまった。同じように、2008-2012年に増加していた学科で減少に転じている学科は、2位の栄養・食物学、3位の物理学、4位の保育・児童学、20位の農学だっである。表中の色分けは、オレンジが同じ期間における単独分野の志願者数増加上位20位、ブルーが同じく志願者減少上位20位を示している。まず2008-2012年から見てみよう。1位の「スポーツ学+健康科学」は、既存の設置数29学科(うち新増設が19学科)と急成長のマーケットだ。3位の「教育学+保育児童学」、9位の「栄養・食物学+健康科学」も同じことが言える。スポーツや健康科学の複合が多いほか、教育、保育、栄養等の資格志向のトレンドも表れていた。一方、既存の複合分野で設置数が多く志願者を集めた分野が、5位の「電気工学+電子工学+情報工学」(10設置)、6位の「電気工学+電子工学」(46設置)、19位の「情報工学+情報学」(20設置)、20位の「情報学+情報工学」(11設置)だ。これらはICT関連で、た。女子に人気だった栄養・食物学や保育・児童学の人気が下がっているようだ。このほか、福祉学、人間科学、日本文学、獣医・畜産学、応用物理学は、2008-2012年でも減少しているので、9年間減少に歯止めがかかっていないうえに、トレンドの入れ替わりの中でも回復できていない分野ということになる。複合分野の志願者数の動向(2008-2012、2013-2016)次に、複合分野についてもトレンドを見てみよう。図表4は、2008-2012年、2013-2016年の間に、それぞれ志願者数の増加した複合分野の上位20位を表したものだ。もともとその学科が持っていた分野がA分野、新たに追加された分野がB~F分野919293949596979899000102030405060708091011121314151617(年)050100150200250300350(件数)05010015020025003691215(万人)(倍)志願倍率新増設・改組件数18歳人口※1 18歳人口は文部科学省 学校基本調査より※2 新増設件数は1991-2000は(財)文教協会 全国大学一覧・全国短期大学高等専門学校一覧を元に編集部集計。2001-2014は文部科学省集計。   件数は、設置組織数ベース。※3 新増設学科の志願倍率は「リクルート入試実態調査」を基に、大学新設、学部・学科改編による新学科の志願倍率を集計。11.411.613.112.110.111.38.66.15.35.06.18.16.25.86.56.36.26.65.65.56.35.26.713.45.16.733735079546362859222319018214850193160201415224229420919915643401391791571211019711411212610212788397725893782309222801720127301614824318歳人口志願倍率認可届出新増設・改組件数図表5 新増設・改組の概況特集 学部・学科トレンド2017

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