カレッジマネジメント205号
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44リクルート カレッジマネジメント205 / Jul. - Aug. 2017図表4は従業員規模別の動向のうち特徴的な300人未満企業と5000人以上企業の求人数と民間企業希望者数を表したものだ。300人未満企業では、求人数は2018年卒42.6万人と前年より+3.9%の増加である。こうした中小企業では2015年卒の大幅増以来、求人数は増え続けており中小企業において新卒採用は堅調と言える。一方で、学生の民間企業就職希望者数を見ると、6.6万人と前年より人数では3.3万人の減少、増減率では-33.0%も減少している。前年も-12.1%と大きく減少しているが、それ以上に減少しており、求人数より民間企業就職希望者数の変動により倍率差が拡大していると言える。一方で、5000人以上企業を見てみると、求人数は4.9万人と前年より-1.0%の微減にすぎない。大企業においては多少の景気や業績変動に拘わらず新卒採用者数を一定とする動きが広がっていることをこの報告では何度か説明しているが、その傾向は依然として続いているので大きく変動はしていないと見ている。一方、学生の民間希望者数を見ると、12.4万人と前年より人数では4.1万人、増減率では+48.9%も増加しており、大企業希望が拡大していることがうかがえる。以上の結果から大企業に学生の希望が殺到し、求人倍率が拡大しているがその背景について説明しておきたい。2018年卒の採用スケジュールは前年同様、広報開始時期が3月1図表3 業種別 大卒求人倍率の推移求人倍率2008年3月卒2009年3月卒2010年3月卒2011年3月卒2012年3月卒2013年3月卒2014年3月卒2015年3月卒2016年3月卒2017年3月卒2018年3月卒全体2.14倍2.14倍1.62倍1.28倍1.23倍1.27倍1.28倍1.61倍1.73倍1.74倍1.78倍建設業・製造業他2.64倍2.64倍(1.97倍)(1.66倍)(1.53倍)(1.65倍)(1.59倍)(1.96倍)(2.08倍)(2.32倍)(2.54倍)建設業--4.14倍5.04倍4.95倍5.32倍4.77倍5.61倍6.18倍6.25倍9.41倍製造業--1.66倍1.35倍1.27倍1.37倍1.31倍1.59倍1.73倍1.93倍2.04倍流通業7.31倍7.15倍4.66倍4.17倍3.94倍3.73倍4.76倍5.49倍5.65倍6.98倍11.32倍金融業0.39倍0.35倍0.21倍0.20倍0.19倍0.19倍0.18倍0.22倍0.23倍0.19倍0.19倍サービス・情報業0.72倍0.75倍0.67倍0.48倍0.47倍0.42倍0.41倍0.54倍0.56倍0.49倍0.44倍求人倍率1996年3月卒1997年3月卒1998年3月卒1999年3月卒2000年3月卒2001年3月卒2002年3月卒2003年3月卒2004年3月卒2005年3月卒2006年3月卒2007年3月卒全体1.08倍1.45倍1.68倍1.25倍0.99倍1.09倍1.33倍1.30倍1.35倍1.37倍1.60倍1.89倍建設業・製造業他1.37倍1.71倍2.05倍1.53倍1.21倍1.35倍1.69倍1.62倍1.59倍1.63倍1.93倍2.33倍建設業------------製造業------------流通業2.68倍4.04倍4.34倍3.50倍3.19倍3.48倍4.49倍4.39倍4.69倍4.49倍5.29倍6.38倍金融業0.35倍0.54倍0.87倍0.52倍0.55倍0.44倍0.49倍0.40倍0.35倍0.35倍0.35倍0.37倍サービス・情報業0.46倍0.61倍0.61倍0.43倍0.33倍0.37倍0.44倍0.45倍0.44倍0.45倍0.50倍0.61倍1996年3月卒97年3月卒98年3月卒99年3月卒00年3月卒01年3月卒02年3月卒03年3月卒04年3月卒05年3月卒06年3月卒07年3月卒08年3月卒09年3月卒10年3月卒11年3月卒12年3月卒13年3月卒14年3月卒15年3月卒16年3月卒17年3月卒18年3月卒(倍)02468101211.326.985.655.494.763.733.944.174.667.157.316.385.294.496.186.259.415.614.775.324.955.044.142.641.971.661.351.271.371.311.591.731.932.040.440.490.560.540.410.420.470.480.670.750.19サービス・情報業金融業流通業製造業建設業建設業・製造業他

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