カレッジマネジメント205号
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45リクルート カレッジマネジメント205 / Jul. - Aug. 2017日、選考開始は6月1日であるが、企業は前年の採用活動の反省から選考開始のスケジュールを守る企業のなかでもより早い段階から大学での説明会から参加する、リクルーターを動員し学生との接点を増やす等の取り組みをしている。それに広報開始時期から選考開始時期までこれまでのスケジュールよりも短縮化しており、より人事業務に人的資源を投入できる大企業ほど、こうした動きを積極的に行っている。一方学生からも採用スケジュールは前年と同じだが、早い段階から企業研究等の準備に取り組む必要性の認識が広がり学生も大企業を中心に見ていく傾向があり、上記のような結果になったとみている。を大きく下回っているため、大企業志望でも内定を取れない学生が出てくる。これまでの動向を見ていると、多くの企業を受けても内定がもらえない状態が続くと、学生は自分が否定されているようなダメージを受け、就職活動に対しても前向きに取り組むことができなくなってしまう。過去の状況との唯一の違いは中小企業においても採用意欲は堅調であり、中小企業等に視線を変えることができれば内定を取得できる可能性は高まるということだ。そのため、大学はこれまで以上に学生に中小企業や不人気と言われる業界にも目を向けるような指導やアドバイスをしていき、多くの学生が希望通りの就職ができることが望まれる。業種別動向についても、流通業、建設業もほぼ同様の理由で倍率が上昇している。また、図表内では示していないが、金融業についてはマイナス金利の影響で一部の金融機関が採用を抑制すると報道されているが、証券、生保を中心に採用数を増やしている影響も合わせ、金融業全体では前年より求人数を増やしている結果となっている。求められるミスマッチへの対応従業員規模のミスマッチは2010年卒並みの状況になっているなかで、2010年卒採用の時に話題になったミスマッチがもたらす懸念が再燃する可能性がある。大企業の倍率は1倍【300人未満】2010年3月卒2011年3月卒2012年3月卒2013年3月卒2014年3月卒2015年3月卒2016年3月卒2017年3月卒2018年3月卒求人総数(A)402,900303,000275,700266,300262,500379,200402,200409,500425,600対前年増減数-▲99,900▲27,300▲9,400▲3,800+116,700+23,000+7,300+16,100対前年増減率-▲24.8%▲9.0%▲3.4%▲1.4%+44.5%+6.1%+1.8%+3.9%民間企業就職希望者数(B)47,80068,70082,40081,40080,60083,900112,10098,50066,000対前年増減数-+20,900+13,700▲1,000▲800+3,300+28,200▲13,600▲32,500対前年増減率-+43.7%+19.9%▲1.2%▲1.0%+4.1%+33.6%▲12.1%▲33.0%過不足数(B-A)▲355,100▲234,300▲193,300▲184,900▲181,900▲295,300▲290,100▲311,000▲359,600【5000人以上】2010年3月卒2011年3月卒2012年3月卒2013年3月卒2014年3月卒2015年3月卒2016年3月卒2017年3月卒2018年3月卒求人総数(A)44,90041,60044,50046,10043,60045,80048,70049,40048,900対前年増減数-▲3,300+2,900+1,600▲2,500+2,200+2,900+700▲500対前年増減率-▲7.3%+7.0%+3.6%▲5.4%+5.0%+6.3%+1.4%▲1.0%民間企業就職希望者数(B)116,90088,90091,00077,20081,20083,00069,80083,400124,200対前年増減数-▲28,000+2,100▲13,800+4,000+1,800▲13,200+13,600+40,800対前年増減率-▲24.0%+2.4%▲15.2%+5.2%+2.2%▲15.9%+19.5%+48.9%過不足数(B-A)+72,000+47,300+46,500+31,100+37,600+37,200+21,100+34,000+75,300図表4 300人未満企業と5000人以上企業における求人総数、民間企業就職希望者数 300人未満 5000人以上 求人総数及び民間企業就職希望者数:(人) 求人総数及び民間企業就職希望者数:(人)

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