カレッジマネジメント205号
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47リクルート カレッジマネジメント205 / Jul. - Aug. 2017転し、それに伴いS棟が竣工。2011年には南山短期大学を南山大学短期大学部に名称変更し、名古屋キャンパス移転に合わせR棟を建設しました。R棟には、国際センター、外国語教育センター、外国語のみ使用のワールドプラザ、日本語のみ使用のジャパンプラザ等の施設が集約され、国際交流の新たな拠点が誕生しました。2017年には、国際教養学部を新設し、さらに総合政策学部を瀬戸から名古屋キャンパスへ移転し、全学部の統合が完成しました。現在では、文系・理系の8学部17学科を擁する総合大学となっています。“人間の尊厳”を根幹とした国際教育ミッションスクールとして、開学当初より国際教育を核に、語学の南山と呼ばれてきましたが、もう一つ特殊な位置づけとして1974年設置した日本研究センター(外国人留学生別科)があります。外国人学生に1年間にわたり日本語と日本文化を教えるもので、毎年正規の留学生百数十名を迎えています。各学部の留学生も合わせると、二百数十名に上り、キャンパスに留学生が増えたことを実感しています。2017年からは全学的にクォーター制も導入しました。日本の春スタートは世界の秋スタートとマッチしていません。本学の第2クォーターを活用すれば、海外の大学で6月から実施されるサマーコースに参加しやすくなり、短期留学の派遣・受け入れを増やすことができます。さらにインターンシップ等サービス・ラーニングの可能性が広がります。そのため、全学的に第2クォーターにはなるべく必修科目を設けないような配慮もしていきます。本学は1952年に採択した教育モットー「人間の尊厳のために」を大切に受け継いできました。“国際”を謳う大学は多くありますが、この“人間の尊厳”を教育の根幹とする点が、本学の国際教育の特色といえるでしょう。外国語はツールでしかありません。世界の人とコミュニケーションをとる際には、相手を思いやるのと同時に、自尊心を持たねばなりません。人間の尊厳の始まりは、自分が何者かを知ることです。それができなければ、自分の価値を見失い、他者も評価できなくなります。これは日本でも世界でも同じことです。そのため、本学では共通教育科目として、①「人間の尊厳」科目、②宗教科目(宗教論、キリスト教概論)を必修としています。1年生はまず宗教論から学びますが、教義を教えるのではなく、諸宗教の特徴を紹介しながら、世界中の人に共通する幸せや救いの概念が何かを理解してもらいます。なぜ必要なのかというと、世界で多様な言語、文化、宗教等の背景を持つ人々と協働していくための基礎になるからです。「One Campus」で学生の「自覚・成長・円熟」を目指すキャンパス統合のキーフレーズに「One Campus Many Skills」を掲げています。知的・人的資源を一つのキャンパスであらゆる角度で共有できるという発想です。「One Campus」が実現したので、今後は「Many Skills」を具体化したいと思います。そのため、教職員に自分の持っている能力を再点検して、大学の中でその能力がどう生かせるのかを考えてもらいます。これこそ、自分自身が何者かという問いかけで、学生にも実践してほしいことです。キャンパス統合の初年度はここから始めたいと思います。歴代の南山大学長の中で、私は45年ぶり、2人目の日本人です。入学式では「自覚・成長・円熟」という言葉を胸に一緒に進んでいきたいと述べました。自分が何者か分かれば、自分の希望ややりたいことも明らかになる。そうすれば、留学生を含むキャンパスの中の知的・人的資源を生かして成長していけます。成長は必ずしもスムーズではないかもしれません。その時は互いに議論して自分が変わるべきところは刷新し、協働できるところは全体で改革する。そういうプロセスを経て、最終的には大学全体が円熟していき、地域社会また国際社会に貢献していくことが理想です。

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