カレッジマネジメント205号
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64リクルート カレッジマネジメント205 / Jul. - Aug. 2017動向、志願者・入学者、教育・研究・学生に関する状況、進路状況等であり、会議報告を通じて共有することを目的とするものである。IR機能の充実と一体となって取り組む必要がある。進捗管理や情報共有を行う中で、解決すべき問題を見つけるのが6つ目の「問題発見」である。会議に報告される種々の実績データは、当該年度だけか、前年度との比較を加えたものにとどまることが多い。これを5年ないし10年程度の時系列データとして眺めてみると、気づくことが増え、解決すべき問題がより鮮明に浮かび上がってくる。「アイデア創出」も会議の重要な目的の一つだが、通常の全学的な会議にこの機能を期待することは難しい。フランクに話し合い、豊かな知恵を出し合える規模や構成を工夫する必要がある。既に述べた通り、大学において会議は組織を動かすための最大の手段である。これらの目的に沿う形で会議のあり方を変えることができれば、大学組織は大きく変わるはずである。知識の深さと広がりが判断の的確性と柔軟性を育む次に、仕事の進め方について、主として大学職員を前提に考えてみたい。近年、業務の多様化や高度化を背景に、教職協働、より高い専門性や企画・立案力等を大学職員に求める傾向が強まっている。このこと自体、決して間違いではないが、高度な専門性も企画・立案力も、的確かつ効率的に仕事を進める能力の上に積み上がっていくものであり、このような能力を持続的に高められる環境が整っているか、個々の大学の実情も含めて厳しく点検する必要がある。右図は、仕事を進める上で必要な能力を、学士力や社会人基礎力を含むこれまでの議論も踏まえつつ、整理したものである。白地は、主として学校教育段階でその基礎を身につけるべき能力であり、網かけは、仕事や職場での経験を通して養われる部分が大きいと思われる能力である。以下では後者を中心に論じることとする。図は、下から上に向かう構造となっており、土台としての自己管理能力から始まり、組織内で信頼を蓄積し、それに基づいてリーダーシップを発揮できる状態に到達するまでに、求められる能力要素を整理している。ここでいうリーダーシップは、役職等の地位に関係なく発揮できる能力を意味する。自己管理能力は課外活動を含む学校教育段階で一定程度身につけることができるが、職業生活においては、職場規律、チームワーク、生産性等に影響することもあり、格段に厳しくその能力が問われることになる。就職直後に関わり合う上司・先輩の影響はとりわけ大きい。知識については、学校教育で得るものに加えて、職務上の知識をOJTまたはO-JTで身につけなければならない。ここで重要なのは、表層的な知識にとどまることなく、その本質まで掘り下げるとともに、周辺領域や関係領域まで広げて知識を習得する必要があるという点である。職務上必要な知識に深さと広がりを持たせることで、正確な理解に基づいた的確な判断が行えるようになるだけでなく、根本的な原理・原則を押さえた上で、より柔軟な判断や創意工夫を行う余地も広がる。どのようにすればこのような深さと広がりのある知識を身につけることができるかは、育成上重要な課題である。仕事を進める上で必要な能力(網かけは主に仕事・職場で養われる要素)信  頼 → リーダーシップコミュニケーション、協働する能力意欲、好奇心、興味・関心自己管理能力 (健康、感情、生活、時間 etc.)信  念価値観考え方要 領手 順段取り説明能力思考力知  識情報リテラシー数量的スキル言語的スキル

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