カレッジマネジメント206号
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62リクルート カレッジマネジメント206 / Sep. - Oct. 2017先の通常国会で学校教育法の一部を改正する法律が成立し、2019年度から専門職大学及び専門職短期大学の制度がスタートすることとなった。専門職大学等の制度は、昨年5月の中央教育審議会答申による提言を受け、文部科学省において所要の法令整備の検討を進めてきたものであり、大学制度のなかに位置づきつつ、実践的な職業教育に重点を置いた新たな枠組みとして創設されるものである。専門職大学等の教育においては、従来の大学等の強みと専門学校の強みの双方を採り入れ、産業界等との密接な連携の下、変化に対応しつつ、専門業務の改善・革新や、新たなモノ・サービスの創出を担うことのできる実践的かつ創造的な専門職業人材の育成を目指すこととしている。今回の法改正により、機関の目的など、専門職大学等の基本的な枠組みは定められたが、教育課程や教員、施設設備などの教育条件に関する詳細の設計は、文部科学省令である設置基準に委ねられている。設置基準の設定に関する基本的な方向性や定めるべき内容は、昨年の中教審答申の中でも既に示されており、「現行の最低基準である大学設置基準及び短期大学設置基準の水準を考慮し、その趣旨を採り入れると同時に、高度かつ実践的な職業教育を行う機関として、その特性を踏まえた適切な水準の設定を図る」とされている。また、設置基準のあり方に関しては、国会の審議においても繰り返し取り上げられ、法案審議の際の附帯決議では「既存の高等教育機関の教育課程との違いが明確となるようにすること」、「大学設置基準等の水準も踏まえつつ、より弾力的な対応が可能となるよう配慮すること」を要請している。文部科学省では、こうした中教審答申や国会での審議を踏まえた検討を進め、7月下旬以降、専門職大学等の設置基準案を公表して、これに対する意見募集(パブリックコメント)の手続きを進めている。公表した設置基準案のポイントは以下のと通りである。※以下のポイントは、専門職大学等の設置基準で定めるべき事項のうち、専門職大学等の特色として、既存の大学等にはない独自の基準を定める部分を列挙したものであり、これ以外の事項については、基本的に大学等と同様の規定を整備することとなる。ⅰ)教育課程等「教育課程の編成方針」として、産業界等と連携しつつ、教育課程を自ら開発・編成・実施し、不断に見直すことや、「実践的な能力」及び「創造的・応用的な能力」を育成・展開することを求めている。また、産業界等と連携して教育課程を編成・実施するための「教育課程連携協議会」の設置も義務付けている。さらに、開設すべき授業科目の種類として、①生涯にわたる資質向上と社会的・職業的自立の基礎等を培う「基礎科目」、②特定の職種について、理論と実践にわたる専門性の修得を図る「職業専門科目」、③より幅広い関連分野への展開を図る「展開科目」、④学んだ知識・技能等の総合を図る「総合科目」の4つの科目を設け、それぞれの必要単位数を定めている。実習等重視の視点からは、卒業・修了に必要な最低単位数の概ね3分の1以上(例えば、4年制(卒業単位124単位以上)で40単位以上)を実習等により修得させるとともに、当該実習等には、企専門職大学等の創設に向けて設置基準の制定と制度施行に向けた対応塩原誠志文部科学省 高等教育局主任大学改革官(1)専門職大学・専門職短期大学の設置基準はじめに1設置基準の整備2寄稿

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