カレッジマネジメント206号
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68リクルート カレッジマネジメント206 / Sep. - Oct. 2017金沢大学は2008年度に学部学科制から学域学類制に移行した。異分野融合的な教育研究を推進すべく、主専攻を入学後に定める経過選択制、主専攻以外の領域も広く学べる副専攻制を敷いている。柴田正良副学長・教育担当理事は「2014年度に抜本的な教育改革に着手しました」と話す。背景には同年スーパーグローバル大学創成支援事業(SGU)タイプBへの採択を皮切りに本質的な国際化へ舵を切ったことがあるが、改革の真意は、大学憲章を最新の状況に合わせて再解釈し、それを実現する教育体系を整理し、金沢大学で学ぶのに必要なマインドとスキルを導き出した一連の工程にある。「どんな時代でも基盤となる『地域と世界に開かれた教育重視の研究大学』という位置づけのもと、変化の激しい現代社会における本学の教育の意味を問い直し、①国際社会を生き抜く能力 ②人類の課題に対峙する倫理観 ③人間力の3点を涵養する教育という観点から、独自の人材育成スタンダードを定めました」。それがKUGS(Kanazawa University "Global" Standard)である。共通教育(教養教育)の根幹は、国際基幹教育院という新設の教育組織が、KUGSに基づく科目体系としてカリキュラム設計を行った。KUGSの5つの大項目(スタンダード)ごとに6つの基本科目(GS科目)が配置され、学生は各大項目から3科目以上を選択しなければならない仕組みだ。例えば、スタンダード1は「自己の立ち位置を知る」、科目は「グローバル時代の社会学」「地球生物圏と人間」等といった具合である。重要なのは理念から導き出されたコンセプトを実際の授業に落とし込んでいることだ。「本学で重視する異分野融合研究の推進に求められる資質を、入学時から育成すべく、初年次を中心に日々の授業を再設計しました。だから本学の学生は全て、この理念を軸とした教育体系を享受します」。まさに金沢大学ブランド教育とも言うべきものである。こうした改革を背景に、2015年度には国立大学交付金の3類型化において、金沢大学は国際的な競争力を志向する「卓越した教育研究」型、即ち第3類型を選択した。一連の教育改革を経て明確になった軸に適合する学生をどう選抜するか。これから取り組むのは入学者選抜改革である。2017年度(2018年度入試)より「文系後期一括・理系後期一括入試」、2019年度(2020年度入試)より「KUGS特別入試(及び高大接続プログラムⅠ)」、2020年度(2021年度入試)より「超然特別入試(及び高大接続プログラムⅡ)」という3段階の構想があるという。詳しく見ていこう(図表)。「文系後期一括・理系後期一括入試」は、分野横断型の志向性のより高い学生を獲得するための仕組みであ教育内容に合致する多様な人材を求める柴田正良 副学長・理事教育の特色と育成人材像を導き出すプロセスが最適な入学者選抜制度を創る高大接続の入学者選抜4金沢大学全学的な教育価値の再考から共通教育を改革する

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