カレッジマネジメント206号
70/88

70リクルート カレッジマネジメント206 / Sep. - Oct. 2017大学は、最終学歴となるような「学びのゴール」であると同時に、「働くことのスタート」の役割を求められ、変革を迫られている。キャリア教育、PBL・アクティブラーニングといった座学にとどまらない授業法、地域社会・産業社会、あるいは高校教育との連携・協働と、近年話題になっている大学改革の多くが、この文脈にあるといえるだろう。この連載では、この「学ぶと働くをつなぐ」大学の位置づけに注目しながら、学長および改革のキーパーソンへのインタビューを展開していく。各大学が活動の方向性を模索する中、様々な取り組み事例を積極的に紹介していきたい。今回は、2013年度採択のCOC事業に対する事業評価で、2016年度にS評価を獲得した兵庫県立大学で、太田 勲学長、髙坂 誠副学長にお話をうかがった。兵庫県立大学は、神戸商科大学、姫路工業大学、兵庫県立看護大学の3大3大学が統合、9キャンパスに6学部14研究科を擁する学が2004年度に統合した総合大学だ。統合の経緯から、6学部14研究科が9キャンパスに分散している。兵庫県は、明治の廃藩置県の過程で、旧国名の但馬、丹波、播磨、摂津、淡路の5つが統合された成り立ちだが、県立大学の拠点はその5地域すべてに存在している。そのため、県内のどの地域でも地元の大学としての存在感を持ちながら地域貢献ができるという。2017年度に就任した太田 勲学長は、こうした兵庫県立大学の特徴が、「地(知)の拠点整備事業(大学COC事業)」には非常に合っていたと言う。「それぞれの拠点に先生がおられて、学生を引き連れてそれぞれの地域に入って活動している。学生自身が地域の人に直接触れ、大学で勉強したことが地域・社会でどう活かされるのかを実体験できる。地域住民や地域の役所、商店やものづくりの人などを相手にインターンシップをしているようなものです」。兵庫県立大学が2013年度から取り組むCOC事業は「ひょうご・地(知)の五国豊穣イニシアティブ」という。旧国名の5つにちなみ「五穀豊穣」の穀物を国に代えて「五国」としたものだ。兵庫県の課題を網羅するため、「五国」に「全県」を加えた6つのフィールドが設定された。播磨は姫路を中心に産学公連携系、県北部の但馬や中山間地の丹波は多自然地域再生系や地域資源マネジメント系、淡路はあわじ環境未来島構想系、摂津は尼崎市を中心にソーシャルビジネス系、県内全域を対象に阪神・淡路大震災の教訓をベースとする地域防災・減災系だ。カリキュラムは、地域志向型副専攻「五国豊穣プログラム」として整備し、2015年度から開講している。地域入門科目「COC概論」、地域実践科目「COCフィールドワーク基礎演習」に始まり、所定の20単位以上を履修すれば、「ひょうご学志」に認定する。称号の授与は卒業時だが、見込みの証書を発行して就職活動の自己PRに使える旧5国にちなんだ地域志向型「五国豊穣」プログラム❾兵庫県立大学キャンパスを活かした地域連携で、「ひとづくり」と「ものづくり」を推進太田 勲 学長

元のページ  ../index.html#70

このブックを見る