カレッジマネジメント207号
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12わが国は今、グローバル化や技術革新の進展等による社会構造の大きな変革に直面している。これからの激動の時代を生きる若い世代にとっては、知識の量だけでなく、混沌とした状況のなかに問題を発見し、答えを生み出し、新たな価値を創造する力が極めて重要となる。文部科学省では、全ての人がこのような資質・能力を育むことができるよう抜本的な教育改革を進める必要があるという問題意識から、高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の三者の一体的な改革、いわゆる高大接続改革を近年の最重要課題として位置づけ、省を挙げて、また大学や高等学校の関係者の皆様にも多大なご協力をいただきながら、これまで様々な検討・取り組みを進めてきた。こうした高大接続改革の進捗状況については昨年8月、本年5月にも公表を行ってきたが、本年7月13日には、「高校生の学びの基礎診断」及び「大学入学共通テスト」の実施方針、「2021年度大学入学者選抜実施要項の見直しに係る予告」の3点について、策定・公表したところである。今般の高大接続改革の取り組みに共通する理念は、端的に言えば、高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜を通じて、学力の3要素(①知識・技能、②思考力、判断力、表現力、③主体性を持って多様な人々と協力して学ぶ態度)を確実に育成・評価するということである。7月に公表した新テストの実施方針と大学入学者選抜実施要項の見直しに係る予告についても、いずれも一貫してこのような理念の具体化を図る内容となっている。現行のセンター試験に代わる新たな「大学入学共通テスト」(以下「共通テスト」という。)については、2020年度から実施することとしており、2025年度以降は、次期学習指導要領(2017年度中に告示、2023年度より年次進行で実施)に対応した内容とする予定である。共通テストでは、マークシート式問題をより思考力・判断力・表現力を重視する内容に見直すほか、センター試験からの大きな変更点が主に2つある。1つめは、記述式問題を導入すること、2つめは、英語について「読む」「聞く」だけではなく「話す」「書く」能力も加えた4技能の評価を行うため、外部検定試験を活用することである。記述式問題は国語と数学で導入予定であるが、次期学習指導要領に基づくテストとして実施する2025年度以降は、地理歴史・公民分野や理科分野等でも導入する方向で検討を進める。大学入試センター(以下「センター」という。)が作問、出題、採点を行うが、採点には民間事業者を活用する方針である。国語は80〜120字程度の記述式問題を3題程度、数学では数式や問題解決の方略等を問う記述式の小問3題程度を加えることを想定している。また、国語の記述式問題の結果については、設問「大学入学共通テスト」についてリクルート カレッジマネジメント207 / Nov. - Dec. 2017高大接続改革の実施方針等の策定について寄 稿動き出した大学入学者選抜改革山田泰造 文部科学省 高等教育局大学振興課 大学入試室長

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