カレッジマネジメント207号
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21採択)、そして2015年の「大学の世界展開力強化事業(中南米)」(8校採択)となる。カッコに記した各事業の採択数の少なさは、文部科学省の大学のグローバル化政策が少数精鋭主義で進められていることを示しているが、上智大学はそれに値する大学として評価を受けていることが分かる。他方で、大学からすれば、中長期計画を推進するに当たって、これらの競争的資金を戦略的に利用したということなのかもしれない。外国語学部や国際教養学部に象徴される国際性は、どちらかと言えば欧米を視野においていた。その経験をもとに、これらの事業の支援を追い風として、アジアやアフリカに対象を拡大し、全地球規模のグローバル化を進めたことが、採択された事業内容からみてとれる。2014年に開設した総合グローバル学部は、そのひとつの到達点といってよいだろう。さて、こうした道具立てが揃ったところで、次に必要なのは、ミッションに沿った学生を選抜することである。高い学力を持つ志願者を安定的に集めることができているのだから、何ら心配する必要がないように思うのだが、実はそうではないと言う。曄道学長は、「高校と大学の間の壁は極めて高く、これが大きな課題になっているのです。われわれとしては、大学のミッションに共感した学生、言い換えれば、持続可能な共生社会の構築に貢献したいという志を持った学生に来てほしく、その志の実現を可能とするような教育を行いたいと思っています。しかし、実際には、受験という高い壁が、高校生の志をそいでしまっているような気もしますし、あるいは、志を持っていても受験の壁は乗り越えられるわけではないということでもあるのでしょう。こうした状況のなか、志のある学生を少しでも多く入学させたいと思い、その手段として多様な入試形態を導入しており、高大接続のあり方を模索しています」と話される。その一環でのチャレンジが、英語の4技能を測定するTEAP(Test of English for Academic Purposes)というテストを公益財団法人日本英語検定協会(英検協会)と共同で開発したことだ。英語のテスト開発の直接の理由は、英語教育に力を入れている上智としては、やはり4技能を測定しミッションに適う人材の選抜たいが、TOEFL®やTOEIC®などの既存のテストでは、高校生の英語力の測定にはいずれも不向きだと判断したからである。テストの内容が高校の学習指導要領に合致していなければ、測定が意味を持たないことは言うまでもない。では、なぜ、4技能を測定する英語のテストが、ミッションに適う学生の選抜に役立つのだろうか。それはTEAP利用型一般入試の仕組みを知ることで理解できよう。TEAP利用型一般入試に関しては、いくつかの誤解がある。図表1をもとに確認しよう。第1に、TEAPは、大学受験の際に用いられるテストではなく、高校在学中に受験しておくテストだということだ(Step1)。そのテストの得点が、志望学科の4技能の基準スコアを超えていれば、出願資格が得られる。第2に、「第2次試験」(Step2)と称されている試験は、いわゆる大学受験であり、そこでは英語は課されない。「第2次試験」では、文系学部は国語、理工学部は数学が必須で、さらに社会(地歴公民)・理科・数学から各学科の定める科目から1〜2科目を選択して受験する。第3に、TEAPを利用した入試を選択しても、各学科の基準スコアをクリアし、指定された選択科目が共通していれば、何学科でも併願が可能であり、さらには従来の学科別一般入試との併願も可能である。TEAPは受験の選択の幅を増やしてTEAP利用型一般入試の仕組みリクルート カレッジマネジメント207 / Nov. - Dec. 2017図表1 TEAP利用型入試の流れTEAP利用型入試を受験する▼第2次試験を受験神学科、心理学科、看護学科のみ2017年1月TEAP利用型入試出願TEAP申し込みTEAPを受験Step1TEAPを受験し出願基準スコアを取得するStep2TEAP利用型入試を受験する入学者選抜特集

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