カレッジマネジメント207号
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24追手門学院大学は、2016年に創設から50周年を迎えた6学部8学科からなる収容定員6780人の大学である。学校法人追手門学院は、1888年創設の大阪偕行社附属小学校に淵源とする伝統を持ち、2018年には130周年を迎える。歴史のある大学の多くがそうであるように、教育改革を進めるなかで経営と教学の関係を再構築することが求められた。追手門学院では、他大学に先行してガバナンス改革を行い、理事会の経営判断に基づいて一体的に運営できるように意思決定機構を再整備することで、全学的な教育改革に取り組んでいる。その改革のなかで、自己を理解し高校生に大学で学ぶ目的を考えさせ、大学で学ぶ姿勢と意欲を持つことができるように育てる「アサーティブプログラム」とその成果を発揮する「アサーティブ入試」を開発し、独自性の高い育成型入試を実施している。この取り組みは、文部科学省の2014年大学教育再生加速プログラムにも入試改革のテーマで採択される等、多くの大学から注目を集めている。ガバナンス改革とアサーティブプログラム・アサーティブ入試の関係を含めて、川原俊明理事長・学長をはじめ担当の皆さんにお話をうかがった。川原理事長は、「大学経営では、10数年前までは理事会と教授会との関係で苦労してきた」と言う。理事会が新しいことをやろうとしても各学部の1つの教授会でも反対があるとうまくいかない状況であり、学長のリーダーシップがうまくいっていなかったことが理由である。2011年に川原理事長が法人理事長に就任したのち、ガバナンス改革として、ガバナンス改革によって動き始めた教育改革2004年の改正私立学校法のもとで、理事会の経営責任に基づいて組織運営を行うことができるように改革を進めた。具体的には、2014年の学校教育法改正に先行して、2012年に寄附行為を改訂し、理事会を経営責任の主体として明確に位置付け、学長の任命を学内選挙から理事会の指名に基づいた任命制に変更した。そして、学長のもとに学長の諮問機関として教育研究評議会を置き、教授会は諮問機関として位置付けた。さらに、それまでは学内の規程改正にそれぞれの学部の教授会の3/4の賛成が必要であった規程を廃止し、学部長の任命も、学長による指名制度に変更した。この改革に対しては、学内に慎重な意見もあったが、弁護士でもある川原理事長は「大学の自治は国や権力からの干渉に対するもので、理事会に向けてのことではない。また、理事会が作成した規程を理事会が変更することは問題ないと判断していた」と話す。そして、他大学からは追手門が何か改革をやっているがうまくいくだろうかと思われていたようだと振り返る。しかし、このガバナンス改革を通じて、教育改革が進むようになり、2013年に基盤教育機構の設置、2015年に地域創造学部の新設と経済学部の学科改組、さらに、2016年と2017年には国際教養学部の学科改組、また、2015年から2018年にかけて450人の入学定員を増加する等、全学的な改革が進められた。ガバナンス改革を通じて、理事会と大学が一体となって、これらの改革を進めることができるようになったのである。この結果、追手門学院大学の志願者数は2013年度の7855人からリクルート カレッジマネジメント207 / Nov. - Dec. 2017ガバナンス改革とアサーティブプログラム・アサーティブ入試による高大接続改革川原俊明 理事長・学長追手門学院大学C A S E2

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