カレッジマネジメント207号
27/70

27リクルート カレッジマネジメント207 / Nov. - Dec. 2017出願率は約75%である。一方で、高校1年生の時から参加していた高校生が、最終的に他の大学に進学するというケースもあるという。しかし、この仕組みを導入してから、第一志望の入学者が増加している。アサーティブ入試は、グループディスカッションと基礎学力適性検査による1次試験と、個別面接による2次試験で行っている。アサーティブプログラムに参加していることが受験資格であり、プログラムに参加していない場合には受験できない。一方で、アサーティブプログラムで面談をたくさんしているから合格しやすい等の直接的なつながりはなく、アサーティブプログラムは、大学生になる準備として学んでおり、その学びをもとに、カレッジレディネスをみているものがアサーティブ入試という位置付けである。大学が提供するプログラムでの学びを前提にすることから、アサーティブ入試は育成型入試という特徴を持つ。そして、合格者には、入学前学習としてプログラムを提供している。この入試は、学部を超えて行っており、色々な学部を希望する学生を混ぜてグループディスカッションをしている。アサーティブ入試の出願者は、初年度(2015年度入試)の91人から2017年度には395人に増加し、また、アサーティブプログラムを受講して他の形態の入試で志願してくる受験者も増えている。2017年度は、アサーティブ入試の入学者は190人、アサーティブプログラム受講者で他の形態の入試での入学者は180人となっている。アサーティブプログラムの成果として、まず、このプログラムで入った学生達には主体性があると、福島副学長は話す。具体的には、学生が「アサーティブスタッフ」としてオープンキャンパスやアサーティブガイダンスの運営を手伝うようになり、説明も担当するように変わっていった。また、沖縄の名桜大学の学生と主体性の高い学生が増加の一方、質の維持・向上が今後の課題にの交流の中で、新入生ガイダンスを企画・提案したりするようになり、現在27人の学生スタッフが、ガイダンス運営チーム、オープンキャンパス、案内等チームで分担して進めている。もう一つの変化として、個別面談を担当する職員の意識が変わってきたという。個別面談は教員でなく、職員のみが担当し、2016年度には61人が担当した。これは、SDの一環として位置付けており、評価者としてのトレーニングとして、職員によるケースカンファレンスとディスカッションを行っている。そして、職員が高校生と直接話すことで、この子達に対する仕事をしているという意識の中で、高校生から学生に目を向けるようになってきたという。他方、今後を考えるに当たり、2017年度にアサーティブプログラムを受講して入学した学生は、370人で入学定員の約2割である。今後これを拡げていくためには、入学後にどのように育てていくか、入試改革から教育改革につなげていくかが次の課題であるという。育成型入試として、育ててから入学させる。そして、入学させてからさらに育てるためのカリキュラム改革として、一人ひとりの学生の成長に責任を持つための仕組みづくり、「学びあい、教えあい」の仕組みづくりを進めていくことが課題となっている。現在、アサーティブ入試での入学者の追跡調査も進められており、その検証とともに、アサーティブ入試での入学者数をただ拡大するのではなく質の維持や教育全体のあり方の中で今後どのように進めていくかが次の課題となっている。アサーティブプログラム・アサーティブ入試には、高校側からは概ね評判が良く、本来高校がやるべきことであるが、大学がこういうことに取り組むのはありがたいという声もあるという。社会全体で高大接続のあり方が問われる中で、大学が広く高校生に学ぶ意味を伝えていく新たな取り組みであり、個々の大学の利害を超えた社会貢献、アウトリーチ活動と見ることもできる。また、初年次教育で行われていた教育プログラムを入試に組み込んだものと見ることもできるかもしれない。追手門学院の先駆的な高大接続・入試改革の取り組みと、ガバナンス改革で進められてきた新キャンパスでの新たな教育改革との相乗効果が期待され、その動向に目が離せない。(白川優治 千葉大学国際教養学部准教授)アサーティブ入試試入ムラグロプグループディスカッション基礎学力適性検査1次試験個別面接2次試験入学前学習学力を評価社会とのつながりを考える主体性・多様性・協働性などを評価思考力・判断力・表現力などを評価図4 アサーティブ入試の概要入学者選抜特集

元のページ  ../index.html#27

このブックを見る