カレッジマネジメント207号
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30リクルート カレッジマネジメント207 / Nov. - Dec. 2017も両者が乖離しないように、選抜制度の設計・実施・改善に取り組んでいる。その際には、卒業後に求められるチカラを学部ごとに見据え、求めるリテラシーやコンピテンシーの整理も行っているという。「21世紀を生き抜くチカラ。」を育む北陸大学独自のAO選抜をまずスタートさせたのは、経済経営学部と国際コミュニケーション学部である。両学部では、従来のAO選抜を抜本的に改革し、「21世紀を生き抜くチカラ。」を多面的かつ総合的に評価する「21世紀型スキル育成AO選抜」を2017年度入試から実施している。今年度の選抜方法、選抜の流れ、評価基準等は図2の通りである。経済経営学部では、「コンピテンシー(行動特性)評価型」として、体験学習プログラム「北陸大学アドベンチャー・プログラム(HAP)」の手法を用いて「主体性・協働性・多様性」を、国際コミュニケーション学部では「グローバルスキル評価型」として、アクティブラーニング型のグループワークにより「海外「21世紀を生き抜くチカラ。」を評価する2つのAO選抜への関心度」「思考力・判断力・表現力」を、それぞれ多面的・総合的に評価している。経済経営学部の「AOセミナー」は6時間以上にわたるもので、長時間かけることによって見えてくる行動特性を評価する。趣旨説明を行った後、アドベンチャー・プログラム研修を行い、受験生グループによる振り返り、その結果をまとめた個人シート記入を経て、個人面談を行っている。特筆すべきは、評価項目である自己評価、観察評価、面談評価、書面評価のうち、受験生自身の自己評価を特に重視している点である。自分を知ろうとすることは、自主性や自律、メタ認知を育む基本であるため、「自己を評価する」という視点やチカラは入学後も重視しているという。国際コミュニケーション学部の「AOセミナー」も5時間以上にわたるもので、趣旨説明の後、課題提示(課題説明、評価方法の説明)、グループワーク、グループによるプレゼンテーション、個人レポートの作成を経て、個人面談を行っている。「一つしかない正解を求める」のではなく、他者と協同して正解のない問題に取り組み、そこから自分なりの考えを作り出していく過程を評価しているという。両学部ともに「AOセミナー」での評価の結果を即座に合否につなげていない点は、非常に興味深い。「AOセミナー」では出願資格認定を行うに過ぎず、認定を受けた受験生が出願をするか否かを決定する流れになっている。大学入学後の教育プログラム(の一部)を体感したうえで、「その教育プログラムで自身が成長できそうか」を受験生が自らに問い直す機会を設け、最終的な判断を受験生側に委ねているのである。結果として、2017年度は出願資格を得た学生100%が、自身の意思で出願をしたという。図2 「21世紀を生き抜くチカラ。」を評価する選抜方法21世紀型スキル育成AO選抜21世紀型医療人育成AO選抜経済経営学部国際コミュニケーション学部薬学部医療保健学部募集人員70人 ※スポーツAO選抜との合算15人※スポーツAO選抜との合算10人3人出願資格次の①~③の全てに該当する者。①志望学部での勉学を強く志し、本学での学修をもとに積極的に社会に貢献したいという意欲を持つ者。②高等学校もしくは中等教育学校を2017年3月に卒業した者または2018年3月に卒業見込みの者。③専願の者。次の①~④の全てに該当する者。①志望学部での勉学を強く志し、本学での学修をもとに積極的に社会に貢献したいという意欲を持つ者。②高等学校もしくは中等教育学校を2017年3月に卒業した者または2018年3月に卒業見込みの者。③調査書理科評定平均値3.5以上の者(薬学部のみ)。④専願の者。選抜の流れエントリー⇒AOセミナー⇒出願資格認定⇒出願⇒合格発表⇒入学手続選抜方法体験学習プログラム「プロジェクト・アドベンチャー」の手法を用いて、「主体性・協働力」を多面的・総合的に評価アクティブラーニング型のグループワークで、「海外への関心度」と「思考力・判断力・表現力」を多面的・総合的に評価模擬授業を踏まえたグループによる科学実験の実施及び実験後の個人面接により「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性・協働力」について総合的に評価評価項目①海外への関心度:海外とのつながりを自分事としてとらえられるか(主体性)②思考力・判断力:課題に対して自分なりの考えを持てるか(情報分析力・課題発見力・構想力)③表現力:グループ及び個人の考えを論理的に説明できるか(協働力・プレゼンテーション力・文章表現力)①知識・技能 ・授業を受けて実験のフローチャートが作成できる ・実験を説明通りに実施できる②思考力・判断力・表現力 ・実験結果をまとめることができる ・結果から何が言えるか表現できる③主体性・協働力 ・グループで内容を検討し合うことができる評価対象エントリーシート、プレゼンテーション、面談、調査書、レポートエントリーシート、自己評価シート、面談、調査書、データシート、フローチャート、レポート

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