カレッジマネジメント207号
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37リクルート カレッジマネジメント207 / Nov. - Dec. 2017り中京大学附属中京高校との連携強化で取り組む7年一貫教育だ。附属高校生と大学生が同じ授業を受講する中で、高校の授業と大学の授業の違いを体感してもらい、成績評価が入学後の単位にもなるという、教育面での高大接続を担う仕組みである。5年間の実践を経て、高校生にある程度意識付けをすると、入学後の活動の幅が広がるという確証を持ったという。「高校生の段階で大学での学びを実際に体験することで、漸く大学の教育の特色を理解することができます」との言葉通り、字面で書いてあるAPや教育内容をそのまま読んで理解するのは難しい。入学後に成長するのは学ぶ内容や雰囲気等において総じてマッチング度合が高い学生であり、彼らに入学してもらうには体験を通して肌感覚で納得してもらう必要があるというわけだ。法学部では「基礎力評価型」「リーダーシップ型」の2つを導入する。「基礎力評価型」の3つの型のうち「法学的思考型」では、法学を学ぶうえで必要な「法律や文献を読み解いて柔軟・的確に判断し問題を解決する能力」を評価する。手法はグループディスカッションで、事前に提示された課題文を読み解き、自らの仮説を構築し、議論するものだ。高校生段階で資質を完全に備えている学生を集めたいのではなく、そうした感性の兆しがあるかどうかを見定めたいという。「センスや感性は学力ベースの試験では測れません。グループでのパフォーマンスの中でそうした側面を見つつ、実社会で他人と協働できる下地があるかどうかを測ります」。「リーダーシップ型」でも手法としてグループディスカッションを用いて、深い思考力やチームでの主体性・協調性を評価する。見てきたように、これらの入学者選抜はいずれも対策を講じにくく、知見や感覚を総動員する必要があるものばかり。1対1の企業の採用活動により近い形を模索しているように見える。先述した長期計画には「社会で活躍できる資質を持った人材を選抜する入試制度の検討」とある。鳴川副部長は言う。「高大接続というと、高校3年間と大学初年次を接続する雰囲気がありますが、本学ではそうではなく、入学時点で開花していなくても、大学4年間のどこかで、あるいは社会で開花するためのポテンシャルを持っているかを見ます。大学教育において基礎学力が必要な部分は大きいですが、もちろんそれだけではない。本人の成長の兆しを捉えるためにどんな手法が最適か、目的に応じた入試方式を引き続き検討していきたい」。既存の一般入試を軸にした学力層と、学力以外の手法のプロセス評価を軸にしたポテンシャル層。名称はどうあれ、高大接続と学生の多様性確保のために入学者選抜を多様化し、集合知で社会に価値を創り出すのが私立大学であろう。志願者数を獲得するための手法を熟知している中京だからこそ、多様な目的に応じた選抜方法の開発に期待がかかる。今後の課題は初年度3学部で導入する高大接続入試を11学部に広げることだが、その先に見据えるのは2021年以降、学力の3要素評価が主軸となってからの視界である。10年後の入学者選抜のあるべき姿を模索する入学者選抜特集図表 高大接続入試の概観(本誌 鹿島 梓)種類学部定員出願選考アクティブ型国際英語52017年9月5日~9月18日一次:エントリーシート、志望理由書二次:学外ツアー、プレゼンテーション、個人面接   ※国際英語学部国際英語学科国際学専攻のみ実施単位認定型経済102017年9月5日~9月21日8月2・3日に開講する「経世済民の学び」を受講し、講義での成績、及び10月7日の面接等で総合的に評価基礎力評価型法552017年10月16日~11月1日①基礎学力型:出願書類+全教科評定平均3.0以上+国語基礎学力試験②法学的思考型:出願書類+全教科評定平均3.0以上+国語基礎学力試験+グループディスカッション③活動実績型:出願書類+高校での活動実績・資格+国語基礎学力試験+面接リーダーシップ型102018年1月5日~1月19日出願書類+センター試験3科目+グループディスカッション※大学HPより編集部で作成

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