カレッジマネジメント207号
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5司会 お茶の水女子大学では新フンボルト入試、早稲田大学では新思考入試と、両大学とも大きく個別選抜を変えられました。導入された課題意識をお聞かせ下さい。室伏 本学では、AO入試自体は2008年度入試から実施し、学際性、国際性を備えた若い人たちを入学させたいと工夫してきましたが、「新フンボルト入試」は、大学に入ってからの伸びしろを持つ人、さらには社会に出てから伸びる人の入学を期待する入試です。本学に入学してくれる学生の皆さんはまじめでよく勉強して、どちらかというと全てにおいて順調に進めていくタイプが多かったのですが、もっと尖ったものを持っていて、将来特色のある活躍ができるような学生にも入学して学んでほしいという意見が以前から教員たちの間で出ていました。そういった考えに即した形で、2017年度入試から始めたのが「新フンボルト入試」です。鎌田 本学では、2012年に策定した中長期計画「Waseda Vision 150」の核心戦略として、「入試制度の抜本的改革」を掲げています。これを推進するため、入学選抜に特化した組織「入試開発オフィス」を大学本部に設置し、新しい考え方に基づいた入学者選抜制度「新思考入試」の開発から実施までを行っています。新思考入試は、2014年度入試の「ミャンマー連邦共和国限定 特別奨学金AO入学試験」に始まり、2018年度入試からは「地域連携型」と「北九州地域連携型推薦入試」を新設しました。 新思考入試の狙いの前提として、入学者選抜制度には、大きく二つの目的があると考えています。一つは、良い学生をどう集めるかということについて。もう一つは、入試が受験生にとって「何を勉強しなければいけないか」という最大リクルート カレッジマネジメント207 / Nov. - Dec. 2017これまで進めてきた入学者選抜の取り組み状況は──小林 浩リクルート進学総研所長 リクルート カレッジマネジメント編集長鎌田 薫氏早稲田大学 総長室伏きみ子氏お茶の水女子大学 学長宮本久也氏東京都立西高等学校 校長ご参加いただいた先生方司会日本の入学者選抜が直面する課題と未来への兆しトップ座談会

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