カレッジマネジメント207号
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53インドネシアでは、一般系の高等教育機関は研究・技術・高等教育省が、イスラーム系の高等教育機関については宗教省が管轄するほか、他省庁が管轄する高等教育機関も存在する。研究・技術・高等教育省の2015年年次報告書によると、2015年の高等教育総就学率は33.7%であり、2013年の29.8%と比べると確実に上昇している。また、2010年から2014年の間に、政府はポリテクニックやインスティテュートを含む国立の高等教育機関を、私立からの移管もしくは新設によって37校設立している。このうちの23校は、人口密度の高いジャワ島・マドゥラ島以外の地域に設立されたが、これは国内の後進地域に高等教育サービスを提供しようとする政府の目的による※4。その結果、 2015年の高等教育機関数は4274校となった。インドネシアの高等教育は学生数・機関数ともに拡大していると言える。近年の動向で注目すべき点として、2012年に制定された高等教育法(高等教育に関する法律2012年第12号)※5と、その法律に基づいた高等教育政策の展開が挙げられる。同法では高等教育機関を、大学、インスティテュート、カレッジ(単科大学)、ポリテクニック、アカデミー、コミュニティ・アカデミーの6種類に分類している。コミュニティ・アカデミーは同法による新しい分類で、地域の卓越性あるいは特別な需要を満たし、1〜2年間の職業教育を提供する高等教育機関である。同法ではまた高等教育機関で提供する教育を、学術教育、職業教育(技術・技能教育)、専門教育に類別している。学術教育は学士課程及び大学院課程の教育課程、職業教育は特定の専門性を持った職に役立つ応用知識を得るディプロマ課程の教育課程である。なお、職業教育課程のうちスペシャリスト課程は主に医学分野の教育課程である。専門教育は学士課程後の教育課程で、特別な専門性を必要とする職に就くため、学術教育や高等教育制度の概観職業教育で身につけた知識・技術をさらに専門的に学ぶ教育課程である。専門教育課程には、学術教育の学士を取得した者も、職業教育で学士相当の資格を有する者も、進学することができる※6。このように、提供される教育の類別と専門性に配慮した高等教育の仕組み作り、そして学術教育だけでなく職業教育・専門教育の充実と制度化が進められている。インドネシアでは1994年、国立私立を問わず全高等教育機関を認証評価する目的で、国立高等教育アクレディテーション機構BAN-PTが設立され、1998年に学士課程プログラムの認証評価が公表された。認証評価には、機関に対する認証評価と、教育プログラムに対する認証評価がある。研究・技術・高等教育省の2015年年次報告書によると、4274の高等教育機関のうち852機関は認証評価されたが、80.1%にあたる3422機関は認証評価されていない。この中には、数は少ないものの国立大学が含まれているという。この数値を見ると、全ての高等教育機関が認証評価を受けるにはまだ時間を要することが予想される。また、認証評価された852機関に対する評価の内訳だが、表2にあるようにA評価はわずか3.1%であり、B・C評価の割合が圧倒的に高い。ちなみにA評価の内訳は、国立大学16機関、国立インスティテュート3機関、国立ポリテクニック1機関、私立大学6機関である。このほか、2015年5月の時点で243の高等教育機関が活動停止 (non-active)状態にあると評価された。しかし、この数値は1認証評価の推進と大学教員の学位取得─質の保証に向けてリクルート カレッジマネジメント207 / Nov. - Dec. 2017認証評価ABC合計機関数26(3.1%)240(28.2%)586 (68.8%)852 (100%)認証評価ABC合計教育プログラム数1785(9.4%)7685(40.4%)9577(50.3%)19047(100%)表2 機関に対する認証評価(2015)※割合は小数点以下第2位切り上げのため、合計が100%とならない。※割合は小数点以下第2位切り上げのため、合計が100%とならない。表3 教育プログラムに対する認証評価(2015)

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