カレッジマネジメント207号
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54リクルート カレッジマネジメント207 / Nov. - Dec. 2017年前の調査で同様に評価された576機関と比べると、ほぼ半減している。一方で改善の見られない11の私立高等教育機関は認可を取り消された※7。次に、教育プログラムに対する認証評価を見てみたい。2万1657の教育プログラムのうち、88%は認証評価されており、機関認証評価に比べて進んでいることが分かる。表3にその内訳を示したが、A評価は全体の9.4%であるのに対し、B評価は40.4%、C評価は50.3%となっており、認証評価を受けていてもその評価は高いとは言い難い。このように、政府にとって高等教育機関の質の向上が重要な課題となっていると言えよう。新たな動向として、教育プログラムに対する評価を専門的な見地から行うLAM-PT(直訳:独立高等教育機関アクレディテーション機構)と呼ばれる機関の設立に向けた動きがある。これは、各分野の専門職団体・職能団体等が分野ごとに教育プログラムのアクレディテーションを行うための機構とされ、2017年9月現在までに保健分野と法学分野で設立が検討されている。また現在、高等教育に関する全データは高等教育データベースPANGKALAN DATA PENDIDIKAN TINGGI (PDDIKTI)※8に集約されている。PDPTは機関及び教育プログラムの認証評価を実施するための情報源として、政府が高等教育機関を管理し、高等教育政策を計画・立案し、予算を配分し評価するための情報源として機能している。また、2005年には教員・大学教員法(教員と大学教員に関する法律2005年第14号)が制定され、同法第46条には、大学教員として学士課程あるいはディプロマ課程を担当する教員は修士以上の学位、大学院を担当する教員は博士の学位を有することが学術的基準として定められている。参考までに表4に2015年時点の大学教員の最終学位を示した。政府は、現職の大学教員に対して、国内外の大学院への進学を促進するための奨学金を提供すると同時に、大学院在籍中は学位取得に専念するために大学教員としての職務を軽減する等の措置を認める等、修士号以上の学歴保持者増加を目指している。全高等教育機関の質向上を図る一方で、高等教育機関の国有法人化をめぐり、インドネシアでは2000年以降、試行錯誤が続いている。高等教育機関の国有法人化は、国内の大学を世界水準に引き上げるという政策のもと、一定の条件を満たす有力な国立高等教育機関に対してより高度な自律性を与え、国際競争力向上のために一層切磋琢磨してもらおうというものである。ここで少し歴史を遡り、国有法人化の経緯を説明しておきたい。国有法人化は、1999年に制定された高等教育に関する政令において、「独立して運営することが可能かつ適切な、政府が管理運営する高等教育機関は、その法的地位を独立法人とすることができる」ことが明記されたことに始まる。続いて、高等教育機関の国有法人化に関する決定及び国立高等教育機関の国有法人化の条件及び手続きに関する国民教育大臣決定が定められ、高等教育機関は自立した国有法人(Badan Hukum Milik Negara)になること、さらに国有法人化するための条件や手続きが示された。これを受けて2000年以降高等教育機関は順次国有法人化された。2006年までに国有法人化されたのは、インドネシア大学、ガジャマダ大学、ボゴール農科大学、バンドゥン工科大学、北スマトラ大学、インドネシア教育大学、アイルランガ大学の7校である。しかし、2003年の国民教育制度法を受けて2009年に成立した教育法人法について、2010年3月に憲法裁判所がこれを違憲と判決したことにより、国有法人化は大幅な見直しが図られることとなった。教育法人法では、初等教育から高等教育に至る全ての学校教育の実施者は、国立・私立を問わず、非営利を原則とする教育法人の形態をとることが定められた。そのため、既に国有法人化された国立高等教育機関も含め、あらゆる高等教育機関の実施者は教育法人の形態をとることとされた。これに対し、憲法裁判所の違憲判決の主旨は、教育の実施を教育法人に委ねることは、憲法の定める国の責務に反するためで国有法人化をめぐる違憲判決とその後の法整備学士・ディプロマ4年修士博士55846 (24.4%)142583 (62.4%)29996 (13.2%)表4 大学教員の最終学歴(2015)

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