カレッジマネジメント207号
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6リクルート カレッジマネジメント207 / Nov. - Dec. 2017斉入試を強いられ、離島に住む子などは膨大な交通費をかけて受験に来なければならない。しかし結局は1~2日間の試験で試せる能力しか見てもらえません。この点は高校の先生方もご不満をお持ちなのではないかと思います。新思考入試では、高校の先生の3年間の指導のもとで、本人がどういう夢を持って自己成長を遂げたかの評価を入学者選抜につなげることを期待しています。司会 早稲田大学はかなりの学部数がある中、大学本部が行う新思考入試もでき、3つのポリシーや各学部のアドミッ新入試はアドミッションポリシーと接続できているか──のメッセージになるということです。 では「良い学生」とは、何をもって良いと判断するのでしょうか。確かに知識の量は重要な要素ですが、受験の技術だけを磨いて点数を取ることが、人生の最大の目標、つまり頂点となってしまう学生が多いのです。しかし大切なのは、大学に入ってからどれだけ自分を発展させて、社会に出てからも伸びる能力があるかです。さらに子どものころからそうした能力を磨いてきたかどうかを、的確に判定して受験生を選抜していますということを伝えることが重要であると思います。 もう一つAO入試に期待したいことは、高校の3年間で培ったことを正確に評価できるということ。日本の学生は一 新フンボルト入試の募集人数は全学で20名。一次選考を兼ねるプレゼミナールに2日、二次試験に2日、合計4日間と非常に手間暇をかけています。プレゼミナールでは、大学の授業と同じレベルのセミナーを文系・理系合わせて14セミナー開講し、そのうち1つのセミナーを受講したうえで、ミニレポートを提出してもらいます。このレポートとその他の出願書類により総合的に判定し一次合格者とし、二次選考では文系の「図書館入試」、理系の「実験室入試」に分かれて選考を行います。図書館入試は、本学附属図書館の文献や資料を調べ、グループディスカッションや面接を通じて、論理力や課題探求力、独創性等を評価します。実験室入試では、各学科の専門性に即した実験からデータ分析等の課題を課し、高校での学びを活かした課題研究発表等を通じて探求する力をみます。 朝から晩まで4日間の入試は、受験生への負担もあり不評かと心配しましたが、非常に評判が良くて、大学の生の授業や体験した全てのことが、これまで経験したことがないもので、うれしかったと感激してくれて、「不合格だとしても十分勉強できたからいい」という受験生がたくさんいました。 受験した高校生は意欲が高く、自分で問題を見つけ、コミュニケーションを図る力があり、質の高い人を合格させることができました。1期生は今年の4月に入学してまだ数カ月なので大きな差は出ていませんが、よく考えて、自分自身で解決策を探ろうとしており、かなり期待ができると聞いています。これから1年経って、どういう風に成長してくれるか、さらに2年、3年と追跡が必要だと思います。2017年度~お茶の水女子大学の新フンボルト入試について── 室伏氏 「地域連携型」は、地方創生が目的です。本学は、中央のひと握りの官僚を育てれば国が良くなるという考え方に対抗して、日本の隅々まで自立した人材を育てて国を発展させるという、在野の精神を理念に開学した大学です。以前は入学者の8割が地方出身者でしたが、現在は1都6県以外の出身者は3割程度です。理由として、地方の子が受験テクニックに長けていない、東京に出したら戻ってこないと不安に思う保護者が多い、地方に就職先がない等が挙げられます。 「地域連携型」は、地方の活性化に強い意欲を持った学生を評価する高大接続型入試です。入学後は、地方に貢献するための基礎的な知見を身につけると同時に、早い段階から地方のインターン等に参加することで、地方の現実を知り、課題を発見してどう解決すべきかを考えます。そして、地方の就職先の正確な情報を学生に提供し、地方の生活までに結びつけるサイクルを作ろうという、入学者選抜に留まらない教育システムです。 また「北九州地域連携型推薦入試」は、基幹理工学部で行う、北九州地域の高校を対象とした指定校推薦入試です。1~3年生は東京の西早稲田キャンパスで基礎教育を受け、4年生は北九州キャンパスで実習を含めた学びを行い、大学院や就職へと進みます。 また、多くの私学は学部ごとに入試を行い、問題の出題から合格者の判定まで学部が不可侵の権利を持っています。しかし新思考入試は、大学本部の入学者選抜オフィスが選抜し希望の学部へ送る形をとっています。これは、入試における、ある種の革命であると考えています。2018年度~早稲田大学の新思考入試について── 鎌田氏

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