カレッジマネジメント207号
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7リクルート カレッジマネジメント207 / Nov. - Dec. 2017ションポリシーとは、うまく接続されていますか。鎌田 アドミッションポリシーがないと入試制度は作れないので、これまでもポリシーは公に出していました。ただ、現状に応じた、あるいはこれからの将来の方向性を示す大学全体のポリシーと、各学部・研究科のポリシーを見直して策定中です。 他方で、あまりこと細かく長いポリシーを作るのもいかがなものかなと思います。例えば生命科学は、生物を履修していることと最低限の水準を充足していることは明示的に求めたほうがいいでしょう。それ以外であまり細かく条件を押しつけると、型にはまった生徒ばかりが入学してくることになるかもしれません。大学に入った後、どういう教育をしていくかを示すほうが重要で、高校生がポリシーを見て、自分はこういう側面からチャレンジしたいと自由に発想できる、むしろ大学を変えてやるくらいの気概のある子を門前払いしないようなポリシーの作り方が必要だと思います。室伏 そうですね、アドミッションポリシーは時代の流れや大学の状況に応じて変えていかなければいけないと考えています。ただ、受験生を悩ませないよう、理念をしっかり打ち出すような改善をしていこうと考えています。高校生に「お茶の水女子大学に行ってこんなことをやりたい」「自分を活かしてくれる大学」と思ってもらえるような努力を続けたいと思っています。司会 これまでは三者面談で、生徒の偏差値に当てはめて進学校を決めるような指導が多かったと思いますが、ミスマッチや意欲の低下なども問題視されてきました。新制度は、高校の進路指導への影響や課題感は──高校の先生や保護者、受験生がアドミッションポリシーを理解する必要があります。宮本 鎌田先生のおっしゃるとおり、入試は受験生へのメッセージの意味が大きい。「うちの大学はこういう学生が欲しい。だからこういう試験をする」というメッセージは、高校生にも分かりやすいでしょう。お二人の話から、こういった入試をもっと進めていく方向性を打ち出されたことはとても良いことだと思いました。各大学が特色を出して、自分の大学で欲しい学生を獲得するための試験を明確に示してもらうのが本来の形だと私も思います。 ただ、一方で進路指導は大変難しくなります。各大学がどういうことを求めているかを、指導する我々も知らならなくてはいけない。さらには、子どもたちが、自分自身をもっと知る必要があります。自分の性格や得意なことを、あの大学なら伸ばせそうだから入りたいと本来はなるべきです。この難しさを乗り越えていかないと、本当の意味での高大接続や大学選びはできません。司会 今回の高大接続改革の目的は、第一義的にまず高校を変えていくこととされていますね。高校現場ではこれをどう捉えていますか。宮本 高校教育全体を変えていかなくてはいけないという思いは、現場の先生方にも出てきました。今まで以上に教育の中身を変えていこうという動きがかなり出てきたことと、そういうことに関心の高い管理職や先生方が増えているのは事実です。 ただ、身につけた色んな能力を、大学側が本当に入試で見てくれるのかという不安はあります。結局最後はペーパーテストで見られてしまうようなことはないかという、疑心暗鬼があるのです。入学者選抜制度の重要な目的、それは、受験生にとって「何を勉強しなければいけないか」というメッセージを明確に示すことです。──鎌田氏トップ座談会入学者選抜特集

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