カレッジマネジメント208号
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30先の第193回通常国会において学校教育法の一部を改正する法律が成立し、実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関である「専門職大学」「専門職短期大学」の制度化が図られた(平成31年4月施行)。専門職大学等は、大学等のうち、専門職を担うための実践的かつ応用的な能力の育成・展開を目的とするものと定義され、当該大学等の機関全体を専門職業人養成に特化させる枠組みとして創設されたものである。一方、新たな高等教育機関の制度化を提言した平成28年5月の中央教育審議会答申では、新機関の設置形態について、①既存の大学等と並ぶ独立の組織として設置されるとともに、②「既存の大学・短期大学が、実践的な職業教育の専攻を新たに開設し、アカデミックな教育とより実践的な教育とを共に提供していけるよう…一部の学部や学科を転換させる等により、新たな機関を併設できるように…することが適当である」としている。これらを踏まえ、文部科学省では、専門職大学等の趣旨をさらに既存の大学等の中にも活かすよう、大学等の「専門職学科」の制度化を図るべく、現在、そのための大学・短期大学設置基準の改正等の検討を進めている。検討している改正案の全体概要は図1の通りであるが、そのポイントとして、以下の点が挙げられる。【専門職学科の位置付け】大学等は、専門職を担うための実践的かつ応用的な能力を制度化の検討内容2育成・展開させる教育課程を編成して教育を行う学科として、「専門職学科」を設けることができることとする。専門職学科のみで組織する学部である「専門職学部」の設置も可能とする。【専門職学科に係る設置基準の特例】そのうえで、専門職学科に係る設置基準の特例として、①教育課程については、・産業界等との連携による教育課程の開発・編成・実施・「実践力」と「創造力・応用力」を育成するための必要な授業科目の開設・実習の重視(卒業単位の概ね1/3以上。企業等における長期の「臨地実務実習」)・入学前の実務経験を勘案した単位認定の仕組みの導入②教員については・小規模の学科を想定した専任教員数の基準の整備・実務家教員の積極的任用(必要専任教員数の4割以上)③学生受け入れについては・実務経験者等入学者の多様性に配慮した入学者選抜④施設設備等については・小規模の学科を想定した必要校舎面積の基準の整備・「臨地実務実習」の必修化等の特性を踏まえた必要校舎面積基準の弾力化等の観点から独自の基準を定める。これらの内容は、基本的に専門職大学等の制度から採り入れたものだが、例えば、専門職学科で開設すべき授業科目の設定としては、専門職大学等における「基礎科目」に代えて「一般・基礎科目」を設定し、当該科目には「幅広く深い教養の涵養」のための科目(全学共通の一般教養教育科目等)を含め得るようにする等、アカデミックな教育と実践的な職業教育を共に提供する大学としての特性を、より活かせる仕組みとしている。リクルート カレッジマネジメント208 / Jan. - Feb. 2018大学等の専門職学科の制度化に向けた検討状況について塩原誠志 文部科学省 高等教育局 主任大学改革官寄稿1制度化の経緯

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