カレッジマネジメント208号
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36リクルート カレッジマネジメント208 / Jan. - Feb. 2018界、企業においては、採用時期をずらした対応をほとんど行っていないところもあります。一部の企業の選考に乗れなかったことが「留学をしたから損をした」という声につながっているのでしょう。しかし全体で見れば採用手法が多様化したことで留学経験者が動きやすくなっていると実感しています。──では、採用において企業が留学経験者に期待することとは何でしょうか採用において、企業は留学経験者に何を期待しているのでしょうか。就職みらい研究所の『就職白書2017』によると、企業が採用で重視する項目として「語学力」や「海外経験」は高いとはいえません。上位に並ぶのは「人柄」「熱意」「可能性」です。「トビタテ!留学JAPAN」ホームページ内にある企業の人事担当者インタビューにおいて、海外留学生に期待していることを見ると「語学力ではなく、常識が常識ではない場所で生活する力」「外から日本を見た経験」「修羅場を乗り越えた経験」といった言葉が並びます。「海外留学をしたかどうか」を問うのではなく、重要なのはそこから何を学んだか、言い換えれば「体験学習力」が問われているということです。今の延長線上にもはや未来はないという危機感を抱く企業が多くを占める中、イノベーションを起こす異質な人材を採用することが、今の切迫した課題です。「異質なものに触れ、自らを変革したという人が、企業に入ってから化学変化を起こしてくれるだろう」という期待に対し、留学経験はその有力なターゲットです。「留学をしていた」人材が欲しいのではなく、「なぜ留学したのか」「留学後に何が変わったのか」を自分の言葉で語れる人材が欲しいのです。──学生が留学によって体験学習力を得るために、大学はどのような対応をすべきでしょうか留学生を送り出す大学からも、学生に対して留学の目的意識を確認できるような機会が提供されることが望ましいと考えます。学生が、「留学経験」を“就職活動に有利に働きそうなカード”の一つとしてとらえてしまえば、形骸化した無意味な経験となってしまいます。学校主導の交換留学プログラムなど、選考面接がある場合は、なぜ留学に行くのか、目的意識の醸成を早い段階から一緒に行っていくといいでしょう。留学中に大切なのは、大学が留学生本人と定期的にコミュニケーションを取ることです。就職支援と留学支援の部署が別々に独立している場合、その連携がしっかり取れているかどうかが留学経験者の就職活動に大きく影響しているように思います。自ら情報にアクセスし、留020406080100020406080100(%)(%)①人柄②自社/その企業への熱意③今後の可能性④性格適性診断の結果⑤基礎学力⑥能力適性検査の結果①人柄②アルバイト経験③所属クラブ・サークル④熱意⑤趣味・特技⑥所属ゼミ・研究所学生がアピールした項目企業が採用で重視する項目●就職みらい研究所『就職白書2017』その他OB・OG・紹介者とのつながり海外経験パソコン経験・スキルボランティア経験履修履歴所属ゼミ・研究所インターンシップ経験趣味・特技知識試験の結果所属クラブ・サークル取得資格語学力大学入試以前の経験や活動大学/大学院名大学/大学院での成績大学/大学院で身につけた専門性アルバイト経験学部・学科/研究科能力適性検査の結果基礎学力性格適性診断の結果今後の可能性自社/その企業への熱意人柄47.392.976.168.838.935.831.921.020.118.515.714.713.312.19.58.98.25.45.25.04.44.04.03.91.52.625.511.84.04.63.416.539.514.09.816.86.86.312.627.62.324.36.718.53.510.86.18.81.81.5【企業N=1169】【学生N=2295】図4 企業側が採用で重視する項目・学生がアピールした項目

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