カレッジマネジメント208号
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39リクルート カレッジマネジメント208 / Jan. - Feb. 2018れまで行ってきた改革は、まさにそれを体現したものでした。立命館国際化の礎を築いたとも言える国際関係学部、そして近年のスポーツ健康科学部・総合心理学部、来春の食マネジメント学部の開設もしかり、研究分野における「立命館グローバル・イノベーション研究機構(以下、R-GIRO)」等の取り組みを契機として発足した研究センターやプログラム等、知の新しい組み合せによって、新たな価値を生み出す事業を推進してまいりました。そして、教育分野におけるイノベーションの最たるものと自負するに値するのが2000年のAPU開設であったと思っています。開設を決めたときは、多くの高等教育関係者から心配も頂きました。しかし、まもなく開学20年を迎えるAPUには、現在、各国・地域から優秀な学生が集ってきています。2017年12月末の是永学長の任期満了に伴い、2018年1月からは、ライフネット生命保険株式会社の創業者・出口治明氏が学長に就任しました。APUもまた新しいステージに歩みを進めます。「従来の常識にとらわれず取り組み、新たな常識をも創造する」、それが立命館の建学の精神「自由と清新」を現代に引き継ぐイノベーティブな取り組みの「熱」の根幹と言えるものだと思っています。突き抜けたグローバル化と研究の高度化を加速立命館は、グローバル化と研究の高度化をさらに加速させたいと考えています。まず、グローバル化について申しますと、立命館大学で展開する「突き抜けたグローバル化」です。立命館大学とAPUが採択されている「スーパーグローバル大学創成支援」事業で設定した数値目標の達成は前提です。2018年からは国際関係学部において、学部レベルでは日本初となる、アメリカン大学とのジョイント・ディグリーがスタートします。さらに2019年度には、オーストラリア国立大学(ANU)との共同学士課程、グローバル教養学部を設置する予定です。全員留学という考え方もありますが、それだけでは立命館のブレークスルーにはならない。世界に通用するグローバル化のプラットホームをいくつも持ち、それを大学全体・学園全体に展開していくことが狙いです。また、附属高校3校(立命館・立命館宇治・立命館慶祥)は「スーパーグローバルハイスクール(SGH)事業」に採択されていますし、さらに立命館宇治は国際バカロレア・ディプロマプログラム認定校でもあります。附属校の取り組みは、学園のグローバル化を牽引しています。次に、研究の高度化です。大きく分けて2つです。1つ目の目標は、科研費の全員申請です。研究政策を鋭意進めてきた結果、立命館は科研費の採択件数・金額や企業との産学連携実績、学術論文数とも私学有数の実績を誇る有力な研究大学の一つとなりつつあります。科研費の採択件数・金額においては、医学部を持たない私学では全国2位に位置しています。それをもう一段高める必要があります。2つ目は、社会的要請に対応した学際テーマの共同研究を行い、先端的な研究の種床をいくつか持つことです。2008年に設立したR-GIROでの研究を発展させる形で、「センター・オブ・イノベーション(COI)プログラム」や私立大学研究ブランディング事業等、国の先端的かつ大型の研究プロジェクトにも採択されるようになりました。COIに採択されたプロジェクトでは、高齢社会をどう持続的社会に変えていくかをテーマに、理工系・薬学系・文系・社会系による文理融合の共同研究に取り組んでいます。これまで以上にこの2つに取り組むことを通じ、2020年には世界大学ランキングで200位台に入ることを目指します。私の前任の長田理事長は、歴史学の大家として歴史を批判的に学ぶ重要性を常に語っていました。「大学は歴史を越えた存在でもあり、歴史に制約される存在でもある」と。問題はこのバランスをその時代に合わせてどのように差配していくかということだろうと思います。私自身もしっかり学びながら、この大役を誠実に果たしていきたいと思います。現在「学園ビジョンR2030」の議論を開始していますが、「立命館らしい」とがった改革を支える財政的基盤の充実は、理事長の重要な役目であると思っています。

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