カレッジマネジメント208号
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54「世界経済フォーラム」が2017年11月に公表したジェンダーギャップ指数(各国の男女格差を指数化したもので、以下GGI)で、日本は144カ国中114位と、前年に続き過去最低を更新した。2003年に国は、「社会のあらゆる分野において、2020年までに指導的地位(議会議員、法人・団体等における課長相当職以上の者、専門的・技術的な職業のうち特に専門性が高い職業に従事する者)に女性が占める割合が、少なくとも30%程度になるように期待する」という目標(『2020年30%』目標)を掲げ、実現に向けた施策を展開してきた。民間企業をはじめ社会の様々な分野においても、国の方針に沿って、あるいは自発的に、女性の活躍を促進する取り組みが行われている。それにもかかわらずGGIの世界順位が低迷している背景には、世界各国が日本を上回るペースで取り組んでいるという要因もあるが、それ以上に、我が国の社会や組織に内在する問題があることを認識し、これまでの活動が部分的・表層的なレベルにとどまっていないか等、厳しく検証する必要がある。大学は、初等・中等教育と社会をつなぎ、その教育研究については、成果の提供を通して社会の発展に寄与することが期待されている。男女共同参画社会の形成にも、より能動的に関わっていかなければならない。加えて、大学自らも女性教員・職員の活躍を促進し、多様な構成員が能力を最大限に発揮できる組織に変わっていく必要がある。本稿では、国がこれまで推進してきた女性研究者研究活動支援事業を振り返り、その成果と課題を整理することで、大学のこれからを考える視点を提示したい。なお、本稿で「女性研究者」という場合は、大学等の研究者(教員、大学院博士課程の在籍者、医局員、その他の研究員)のほか、企業、非営利団体・公的機関の研究者も含む。はじめに、女性研究者の研究活動支援の背景となる2つの大きな流れを押さえておきたい。1999年に制定された「男女共同参画社会基本法」は、前文で「男女共同参画社会の実現を二十一世紀の我が国社会を決定する最重要課題」とした上で、第二条において「男女共同参画社会の形成」と「積極的改善措置」の2つの用語の意義を以下の通り定めている。1)男女共同参画社会の形成:男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべき社会を形成することをいう。2)積極的改善措置:前号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するため必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供することをいう。ここでいう「積極的改善措置」が、ポジティブ・アクションと「男女共同参画社会の形成」と「積極的改善措置」大学を強くする「大学経営改革」女性研究者の活躍促進のための取り組みを通して大学のこれからを考える吉武博通 公立大学法人首都大学東京 理事リクルート カレッジマネジメント208 / Jan. - Feb. 201874世界114位にとどまるジェンダーギャップ指数

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