カレッジマネジメント210号
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11共有している」こと、「お互いの成果に対して関心を持ち、上司が仕事のプロセスを正当に評価している」ことである。つまり、他者との関わりの中で、自身を客観的に捉える機会があり、働くことを通じた成果に対する期待や役割が明確になっているほど、自主的に学んでいるといえよう。リクルート カレッジマネジメント210 / May - Jun. 2018に関連する学びが多いのは、医療技術者、建築・土木・測量技術者であった。今後やろうとしている仕事に関連する学びが多いのは、医療技術者である。一方で仕事に関連しない学びが多いのは、接客、一般事務職、調理職、ドライバーであった。この結果からは、仕事において日常的な知識の更新が必要とされるかどうかという点が仕事に関連する学び行動に影響しており、逆に求められない場合は仕事には関連しない学び行動を選択しているようである。次に学んでいる社会人はどのような職場環境にあるのかを詳しく確認した(図表2)。その結果、学び行動と「職場における他者との関係性」について特徴が見いだされた。具体的には、自主的な学びをしている人は、「職場の同僚や上司が、個人の成長やキャリアに対して理解」し、「刺激を与え合っている」こと、「自分を客観的に把握するためのフィードバックや他者との違いを感じることが多い」こと、「チームや組織で目標を明確にして自主的に学んでいる社会人と学ばない社会人の職場環境の違い特集 人生100年時代の社会人教育自主的な学びの比率そう思うそう思わないどちらともいえない職場の同僚と相互に刺激を与え合いながら成長する関係を築いている87.083066.6101071.31402上司は、私の将来のキャリアイメージや、実現したいことを知ろうとしてくれている87.062268.6122872.71392自分の特徴を客観的に把握するためのフィードバックを受けることが多い87.257868.8130673.11358自分と他者との違いを感じる機会が多い81.494568.584272.11455チームや組織全員の目標が明確である84.083569.0116171.71246個々人の目標が明確である85.070969.2124472.21289職場では互いの仕事内容や成果への関心が高い86.275968.8108071.11403上司は仕事のプロセスについて、正当に評価してくれている84.382069.296071.11462人自主的な学びの比率(%)自主的な学びの時間今の仕事に関連する学び(%)今後やろうとしている仕事に関連する学び(%)仕事には関連しない学び(%)合計(平均)562470.74.642.220.337.6社会福祉専門職11184.73.641.422.136.7会社・団体等管理職26581.55.342.122.035.8医療技術者10281.44.051.125.623.3ソフトウエア・インターネット関連技術者17976.55.744.821.333.9営業従事者27875.23.844.520.734.8建築・土木・測量技術者12475.04.549.722.827.5財務・会計・経理19268.23.341.217.641.2一般事務職91867.33.938.318.443.4飲食物調理職業11166.75.938.818.942.9ドライバー10966.13.839.418.542.1接客・給仕職業(ウエイター・ウエイトレス、ホールスタッフ、添乗員等)33364.04.238.617.843.6製造・生産工程作業者40961.14.839.419.841.0商品販売従事者(販売店員、レジ等)17460.93.341.720.638.1注)正社員・パート・アルバイト等、自営業からなる。その他職種を除き、サンプルサイズが100以上の職種を掲載。注)上段は%、下段はサンプルサイズ図表1 自主的な学びの比率、時間、その内訳(職種別)図表2 職場環境と自主的な学びの比率

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