カレッジマネジメント210号
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13リクルート カレッジマネジメント210 / May - Jun. 2018下の特徴が確認されている。(1)現在の仕事に関連する学びを行っているのは、医療技術者や建築土木系技術者である。一方で、接客、一般事務職、調理職、ドライバーでは仕事に関連しない学びが多い。(2)職場環境に着目すると、学んでいる社会人の職場では同僚や上司が、個人の成長やキャリアに対して理解があり、客観的に自分の力量を把握するためのフィードバックが行われている。(3)自主的に学ぶ社会人学習者には、学習のリターン(学んだことを役立てる機会があること)、楽しさ(学ぶことは楽しい)、習慣化(自分なりの学習のリズムがあること)がある。(4)学習の効果として仕事に直結する効果を挙げるケースが多い。(5)学び行動から得られたリターンや楽しさは、キャリア評価とつながっている。高いキャリア評価をもたらす強みは、キャリアオーナーシップを有する。つまり、社会人の学びを促進するには、職場において個人の学習が奨励される環境が必要である。その際、仕事に直結した学びでなくとも、職種によっては学んだことがテーマや時間を超えて、間接的に役立っていることもあるようだ。また、教育機関では、多様な経験を持った社会人学習者にとって、学んだことが仕事に活き、「習慣化」されやすい。また、学びが「楽しく」あるような学習環境がより一層求められるようになるだろう。学習テクノロジーの進化は、多様な経験を持つ社会人の学び行動を支援してくれるようになるだろう。例えば、ビッグデータによる行動や経験履歴の可視化は、学びの楽しさ、面白さ、学びを活かすことにもつながるような、本人も意識していない興味・関心をレコメンドしてくれる。実際にそうしたテクノロジーの兆しも確認されている。リクルートワークス研究所では「人生100年×テクノロジー『創造する』大人の学びモデル」を公開している。社会人の経験が尊重される学び方を、テクノロジーがどのようにサポートしてくれるのかをまとめたものだ。テクノロジーの支援を受けて、改めて教育機関の役割と機能を再構築する必要がありそうだ。【調査概要】調査目的:働く人の動機、学習行動の有無、学習の目的、方法を明らかにすること調査手法:インターネットモニター調査 標本設計:全国の15〜64歳の就業者を母集団とし、性×年代(10歳刻み)×就業形態(3区分)×居住エリア(4エリア)で母集団構成に合うように回収 ※母集団のデータソース:総務省統計局「労働力調査」(平成24年〜平成28年)サンプル数:5,624s 調査期間:2017年12月14日〜12月19日 調査名称:「働く喜び調査」調 査 者:リクルートキャリア、リクルートワークス研究所参考資料:「人生100年時代×テクノロジー『創造する』大人の学びモデル」http://www.works-i.com/pdf/learningmodel2030.pdf(注)「学習意欲と働くことに関する調査」(2011)http://www.works-i.com/pdf/r_000280.pdf特集 人生100年時代の社会人教育N幸福度(1~10)キャリア評価(100点)明確な目標を設定したのに、途中で本来の目標よりもよいものを見つけたことがある(%)「自分が予測した通りに物事がうまくいった」ということを経験したことがある(%)こうなってほしいという思いが成功につながったことがある(%)自分の強み自分の決断がもたらす結果を考慮する(%)自分の将来は自分で決める(%)学ぶ理由知ること、学ぶこと自体が面白いからあてはまらない1106.2 57.4 50.9 66.4 58.2 22.9 34.1 あてはまる8436.8 63.5 65.2 87.3 77.1 55.5 62.1 学んだことを仕事や生活の中で活かしたいからあてはまらない946.3 54.1 53.2 64.9 56.4 28.6 41.1 あてはまる8396.7 63.3 64.8 87.1 76.8 52.6 61.0 図表4 学ぶ理由と幸福度・キャリア評価

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