カレッジマネジメント210号
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21「ジョブ型労働市場で評価されている職種であり、かつ、指定の段階で質保証されている講座であることが要因でしょう。第二類型の受講者数の少なさについては、残念ながらまだまだ認知が浸透していないことが原因となっていると思われます」(同)。第三類型は「専門職大学院」。第一・第二類型と異なり、受講者の中心は30〜40代の在職者となっている。「MBA・MOTの受講が多くを占め、ヒアリングで得られた知見としては、技術開発力・企画力・問題解決力といったコンピテンシーの向上に寄与しているようです。また、給付金があるおかげで中退率が下がっているという声もあります。これまでであれば受講途中で経済面で厳しくなり受講が継続できなかった人も修了に結びついているのではないでしょうか」(同)。16年4月から適用が開始され、今後受給者数の拡大が期待されるのが第四類型である「職業実践力育成プログラム(BP=ブラッシュアッププログラム)」である。指定講座数はまだ94講座(18年4月時点)ながら、適用開始後1年半の17年9月末時点で既に受給者数は337人に達している。この制度の創設検討に関しては筆者も有識者会議の一員として関わらせていただいたが、大学や高等専門学校が社会人や企業のニーズに対応し、教育内容や社会人が受講しやすい工夫を整備した正規課程・履修証明プログラムについて文部科学大臣が認定する制度であり、授業時間数の約半分以上を双方向型の討論や実務家教員による授業、実地でのフィールドワーク等が占めていることを要件とすること等が特徴的である。新しく適用開始となった類型リクルート カレッジマネジメント210 / May - Jun. 2018たな類型が追加され、対象講座は18年4月の時点で2133講座に達している。どの類型も講座修了者の就職・在職率や講座の定員充足率等の実績が一定以上の水準にあることが指定要件となっており、社会人の中長期的キャリア形成のための質保証が図られている(表2)。当初は一度給付を受けると次回支給が可能になるまでに10年間の被保険者期間が必要だったが、現在では「3年」に改正され、また給付内容についても18年1月から拡充される等、制度の充実が進められている。「もともと環境変化への対応を目的に創設された制度だということもあり、政府全体での人材力向上の機運の高まりや、働き方改革、人づくり革命の議論が進むにつれて個々人の活躍促進の取り組みが求められたことを受け、労働政策審議会でご議論いただいた上で、拡充が進められてきたものです」(同)。講座類型ごとに見ていきたい。第一類型は「業務独占資格または名称独占資格に関わるいわゆる養成施設の課程」。これまでの受給者数の約8割を占めており、幅広い年代の再就職・キャリアアップに利用されている。看護師・准看護師、社会福祉士、精神保健福祉士といった医療・福祉系の国家資格の取得に多く活用されている。第二類型は「専門学校の職業実践専門課程」。自動車整備やデザイン等専門分野での実践的な知識・技術を習得する課程で、20〜30代の若年離職者を中心に活用されているが、指定講座数に比して実受給者数の比率は小さい。第一・第二類型ともに、受講開始時離職中であった者の就職実現に大きく寄与している(受講開始時離職中かつ17年3月末までに教育訓練を修了した者のうち8割前後が就業)。これは表1 教育訓練給付制度の概要特集 人生100年時代の社会人教育一般教育訓練給付専門実践教育訓練給付制度開始1998年12月2014年10月対象雇用の安定・就職の促進に資する教育訓練受講特に労働者の中長期的キャリア形成に資する教育訓練受講給付内容・受講費用の20%(上限年間10万円)を受講修了後に支給・受講費用の50%(上限年間40万円)を6カ月ごとに支給・訓練修了後1年以内に、資格取得等し、就職等した場合には、受講費用の20%(上限年間16万円)を追加支給支給要件在職者または離職後1年以内(妊娠、出産、育児、疾病、負傷等で教育訓練給付の対象期間が延長された場合は最大20年以内)の者+雇用保険の被保険者期間3年以上(初回の場合は1年以上)+雇用保険の被保険者期間3年以上(初回の場合は2年以上)対象講座数11,299講座(平成30年4月時点)2,133講座(平成30年4月時点)受給者数111,790人(平成28年度実績)9,622人(平成28年度実績)15,489人(制度開始~平成28年度累計)対象講座指定要件次の①または②のいずれかに該当する教育訓練①公的職業資格または修士・博士の学位等の取得を訓練目標とするもの②①に準じ、訓練目標が明確であり、訓練効果の客観的な測定が可能なもの(民間職業資格の取得を訓練目標とするもの等)【対象外】趣味的・教養的な教育訓練、入門的・基礎的な水準の教育訓練、職業能力を評価するものとして社会一般に認知されていない免許資格・検定に係る教育訓練表2の①~⑥の類型のいずれかに該当し、かつ、就職・在職率や合格率などに関して類型ごとに指定された講座レベル要件を満たしたもの教育訓練支援給付金について―受講する45歳未満の若年離職者に対し、訓練期間中の受講支援として、基本手当日額の80%を訓練受講中に2カ月ごとに支給(平成33年度末までの暫定措置)

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