カレッジマネジメント210号
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28京都造形芸術大学は、「芸術的創造と哲学的思想によって、良心を手腕に運用する新しい人間観、世界観を目指す。」を建学の理念とし、1977年に京都芸術短期大学として発足した。1991年には京都造形芸術大学として芸術学部を設置し、建学の理念を脈々と受け継ぎながら、京都瓜生山キャンパスのほかにも、東京外苑キャンパス、大阪サテライトキャンパスにて独自のプログラムを展開しながら発展し続けている。1998年には、創立者の強い想いにより、発案から5年の準備期間を経て、総合芸術大学としては日本ではじめての通信教育部を開設した。2013年には芸術教養学科も新たに加え、4学科13コースに改組している。いずれの学科・コースでも卒業すれば学士(芸術)の学位が授与され、大学院への進学も可能である。今や京都造形芸術大学の大学院生は100名を超えており、通信制大学院としては最大規模となっている。「通信による芸術教育」にそれほどの期待があるはずがない、というのが開学前の大方の予想であったという。しかし、その予想は見事に外れた。関東圏、近畿圏を中心に日本全国の幅広い年齢層から支持され、18歳から96歳※までの、職業も、生きてきた世界も多種多様な7000名を超える学生が、通信教育部で学んでいる(図表1参照)。本稿では、京都造形芸術大学の「通信による芸術教育」について、京都大学総長も務め、現在は通信教育部の授業も担当している尾池和夫学長、長きにわたって通信教育に携わってきた上田篤通信教育部長にお話をうかがった。通信教育部では、芸術に関わる学びに触れることによって、「絵を描き続けたい」「現職に活かしたい」「興味関心を満たしたい」「地域活動につなげたい」といった多種多様な意欲のある人を可能な限り柔軟に受け入れている。例えば、いずれの学科・コースも入学のための試験を行っておらず、18歳以上であれば、出願書類をもとに入学資格を確認する書類審査を経て、入学することができる。また、1年次入学と同程度以上に編入学の定員も設けることにより(図表2参照)、他の大学や短期大学、他の学部学科等からの入学希望者にも広く門戸を開いている。芸術教養学科では、前期入学(4月入学)だけでなく、後期入学(10月入学)も可能であり、学びの一歩を踏み出す時期も柔軟に選ぶことができる。入学試験や入学時期だけでなく、入学後の学費についても十分な配慮をしている。芸術学科、美術科、デザイン科では、授業料+スクーリング受講料+単位修得試験「学び重ねる意欲のある人」を受け入れる柔軟性リクルート カレッジマネジメント210 / May - Jun. 2018「学びやすい環境」と「質の高い学習プログラム」で通信による芸術教育を実現撮影/渡邊 修上田 篤通信教育部長 教授尾池和夫 学長京都造形芸術大学2C A S E

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