カレッジマネジメント210号
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33さらなる飛躍をしたいと考えている「キャリアアップ型」と、これまでのキャリアとは違う業界に飛び込んでみようという「キャリアチェンジ型」の2つに分けられる。前者は「もっと患者さんのためにできることを増やしたい」と柔道整復師や鍼灸師になろうとする看護師、後者は子育てが一段落し、第二の人生として、身体の構造を理解したうえで美容関連の仕事に携わりたいと美容鍼灸に関心を持つ主婦等をイメージしてもらえばいいだろう。そしてこれらそれぞれに対して競争優位性をアピールするための方策が探られている。キャリアアップ型への方策として特記すべきは、「有資格者制度」を設けていることである。基本的に国家資格関連のカリキュラムは、どの学校でも似通っている。そうしたなかで、日本医専は、医療系国家資格を既に持っている人に対して単位互換科目の履修免除を適応し、学費や授業時間数の削減を可能にした。3年間の学費は基本的に395万円だが、有資格者夜間特待生コースに入学すれば、その額は柔道整復学科で280万円、鍼灸学科で250万円にまで抑えられ、場合によっては週2回の通学で卒業までの必要単位を取得することができるようになっている。社会人だからといってただ学費を下げるより、ケースごとに理由があって減免される制度のほうが明快で、むしろ魅力的に映るのではないだろうか。他方でキャリアチェンジ型に対しては、卒業後のことも見据えたケアの確立を試みている。柔道整復師や鍼灸師として第一線で活躍している施術家の講話を聞くことができる「はぐくみプロジェクト」やアルバイト・転職の相談機会となる「業界フェスタ」を提供し、また付属の鍼灸院で報酬をもらいながら経験を積むことができる卒後研修も用意している。「鍼灸を勉強したいと入学される40代の方も多いのですが、新卒に拘らない領域といえども、実態として、40歳以上の求人は出にくいというところもあります。そこで、学校側としては、卒業以降、中高年の方々が現場で実践力を身につけるための講座を作りました。運転免許でいえばペーパードライバーではなくて、きちんと運転できるようにするところまで持っていく、ということです」と岸本本部長は話す(図表3参照)。競争優位性の磨きこみと合わせて、日本医専の強みを生み出しているのは、徹底したマーケティングである。教職員自らが、在校生や卒業生、あるいは学校見学者からの話をもとに、どんな層にどんなニーズがあるのか、どうしたらそのニーズが本学への入学につながるのか、かなり具体的に吟味している。インタビューでは、「西洋医学に限界を徹底したマーケティングリクルート カレッジマネジメント210 / May - Jun. 2018【男女比】【年齢構成】【入学前属性】女性45%男性55%高校3年生23%60代 2%50代 8%40代11%30代21%20代31%10代27%その他23%主婦 2%フリーター10%派遣社員契約社員9%正社員公務員24%専門学校生4%大学生 5%図表1 入学者動向の推移図表2 在学生プロフィール0204060801001201402017年2016年2015年2014年2013年6065707580入学者指数入学者指数社会人入学者の割合(%)社会人入学者の割合特集 人生100年時代の社会人教育

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