カレッジマネジメント210号
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43リクルート カレッジマネジメント210 / May - Jun. 2018これからの社会について、保護者・高校生はどのように捉えているのだろうか。将来社会への認識を尋ねてみた(図表12)。自分自身の将来に対しては半数以上の51.5%の高校生が「好ましい社会だ」と回答しており、経年で増加していた(2013年:41.9%→2015年:48.1%→2017年:51.5%)。反面、「好ましくない社会だ」と答えた高校生は44.8%いた。こちらは前々回調査よりは減少しているものの、26.4%→2015年:27.8%→2017年:34.0%)、女性活躍の推進等で多様な働き方が認められる社会であり、給付型奨学金等社会からの教育支援の後押しもあり、保護者の時代よりも、より選択肢が多い社会に対する期待の声が挙がっている。一方で、社会変化の激動、少子化、AI発達と効率化、国際社会情勢の不安等、様々な不安要素を危惧する声も多く、社会全体での景況感とは別で、保護者は高校生より個人レベルでの不安感を払拭し、明るい未来社会のイメージを描ききれていないようだ。前回調査より微増している。理由を尋ねると、少子高齢化や増税・ブラック企業等、社会・就職不安の声も聞こえるが、グローバル化・オリンピックによる経済効果等から、経済状況が改善し社会環境がよくなることへの期待やAI発達による新しい雇用の創出等、全体的には将来への期待感の高まりを感じる結果となった。一方、保護者については、「好ましくない社会だ」が47.8%で「好ましい社会だ」34.0%を大きく上回る結果となった。経年で見ると、「好ましい社会だ」が増加しており(2013年:(%)とても好ましい社会だまあまあ好ましい社会だあまり好ましい社会ではない非常に好ましくない社会だ無回答好ましい・計好ましくない・計2013年(n=1696)2015年(n=1584)2017年(n=1722)1.60.60.925.556.25.012.527.351.83.516.932.444.92.918.2とても好ましい社会だまあまあ好ましい社会だあまり好ましい社会ではない非常に好ましくない社会だ無回答好ましい・計好ましくない・計(%)2013年(n=2043)2015年(n=1887)2017年(n=1987)4.54.23.638.348.56.33.443.938.26.17.647.039.05.83.7将来社会への展望引き続き、将来展望は回復傾向高校生と保護者で異なる、未来社会への認識フリーコメント好ましい・計好ましくない・計34.047.827.855.326.461.1好ましい・計好ましくない・計51.544.848.144.341.954.8肯定的に捉える高校生が51.5%と過去最高ポイント保護者図表12 将来社会への認識 (全体/単一回答)【保護者】■ 好ましい・女性が出産しても働き続けることができる社会の雰囲気・環境が少しずつ整ってきているから。・私が子供の頃より、いろいろな生き方が認められる時代になっているから。・奨学金にも給付型が導入されるなど、こどもの教育も良くなっていきそうだから。・オリンピックを控え、少しずつ景気が良くなりそうだから。■ 好ましくない・社会情況が不安定なため。・今までに経験したことのない少子高齢化による社会。AIの発展する社会でどう生きることができるのか。・社会の変化が激しい。効率化を求めるあまり、仕事の楽しさを感じにくい。・オリンピックが終わってから就職活動をしなければいけないので、求人が減ってしまいそうだから。【高校生】■ 好ましい・AIなどの登場で雇用も減るだろうけど、開発側として働くのはできるだろうから。・オリンピックも近いので、雇用や経済はゆたかになると思うから。・グローバル化が進んで、仕事の多様性が生まれたから。・男女の格差がなくなってきているから。■ 好ましくない・少子高齢化社会が進み、自分たち若い世代の負担が重くなるから。今現在、政治状況もあまり良くないから。・増税や社会保障の負担が大きくなっていき、若い人たちの暮らしが悪くなっていく一方だから。・“ブラック企業などで残業時間が大幅に増えたため過労死してしまった”というニュースをよく聞くようになったから。高校生

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