カレッジマネジメント210号
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46リクルート カレッジマネジメント210 / May - Jun. 2018東京圏(東京都、埼玉県、千葉県及び神奈川県)への人口の転入超過は、近年12万人程度となっており、東京一極集中に歯止めがかかっていない。また、2000年から2015年の15年間で、地方(東京圏以外)の若者人口(15〜29歳)は、約3割(532万人)と大幅に減少している(図1参照)。このままでは、地方において、人口減少が地域経済の縮小を呼び、地域経済の縮小が人口減少を加速させるという負のスパイラルに陥るリスクが高い。そして、このまま地方が弱体化するならば、地方からの人材流入が続いてきた大都市もいずれ衰退し、競争力が弱まってしまう。また、過度な東京一極集中は、集積のメリットを超えて、通勤時間の長さ、住宅価格の高さ、保育サービス等生活環境面での多くの問題を生じさせるとともに、首都直下地震等の巨大災害に伴う被害が増大するリスクを高める。このように、東京一極集中の進行は国全体の活力を削ぐことになりかねず、東京の一極集中是正は、東京圏にとっても地方にとっても有益なことであると考えている。このような状況を踏まえ、これまで政府において「地方への新しいひとの流れを作る」ことを基本目標として地方創生の実現に向けて施策を進めてきた。しかしながら、上記のように東京一極集中は改善できていない状況にあり、特に、東京圏への人口の転入超過の大部分を占めている若者の世代に関する対応を行っていくことは急務である※1。このような中、平成28年12月に閣議決定された「まち・ひと・しごと創生総合戦略(2016改訂版)」※2では、「地方を担う多様な人材を育成・確保し、東京一極集中の是正に資するよう、地方大学の振興、地方における雇用創出と若者の就業支援、東京における大学の新増設の抑制や地方移転の促進等についての緊急かつ抜本的な対策を、教育政策の観点も含め総合的に検討し、2017年夏を目途に方向性を地方大学・地域産業創生交付金等の創設の経緯内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局松尾泰樹地方大学・地域産業創生交付金等の創設について─関連事業も含めて─地方創生の基本的な考え方寄 稿図1 地方における若者の大幅な減少出典:総務省「国勢調査」よりまち・ひと・しごと創生本部事務局にて作成1900180017001600150014002000200520102015年万人13001200110010000東京圏以外1,831万人若者(15~29歳)の人口の推移1,299万人29%減少

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