カレッジマネジメント210号
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47リクルート カレッジマネジメント210 / May - Jun. 2018取りまとめる」という内容が盛り込まれた。そして、これらの事項に関する検討を進めるため、平成29年2月からまち・ひと・しごと創生担当大臣のもとで「地方大学の振興及び若者雇用等に関する有識者会議」※3(以下「有識者会議」という)を開催してきた。平成29年6月に閣議決定された「まち・ひと・しごと創生基本方針2017」では、有識者会議での検討等を踏まえて、「地方の特色ある創生のための地方大学の振興」という項目が設けられ、平成30年度概算要求では新規事業として地方大学・地域産業創生交付金の創設等が盛り込まれた。その後も有識者会議での検討が進められ、平成29年12月8日に最終報告として「地方における若者の修学・就業の促進に向けて─地方創生に資する大学改革─」※4がとりまとめられた。さらに、最終報告の内容を踏まえ、「まち・ひと・しごと創生総合戦略(2017改訂版)」(平成29年12月閣議決定)では、「地域における若者の修学・就業を促進するための法律案を次期通常国会に提出する」という内容が盛り込まれるとともに、平成30年度当初予算では、地方大学・地域産業創生交付金を含む「地方大学・地域産業創生事業」として100億円が計上されている。そして、平成30年2月6日には、「地域における大学の振興及び若者の雇用機会の創出による若者の修学及び就業の促進に関する法律案」(以下「法案」という)が閣議決定され、国会に提出された。なお、法案においては、地方大学・地域産業創生交付金等に係る内容とあわせて、今後18歳人口が大幅に減少すると見込まれる中で、東京23区の大学の定員の増加を抑制する措置も位置づけられている※5。有識者会議の最終報告では、「地方大学の振興に当たっては、『総花主義』から脱却し、産官学が連携して地域産業の特性等を踏まえつつ各大学の強みのある学問領域・研究分野のさらなる強化に取り組み、特定分野においては、グローバルに競争力を持つ拠点を構築することが重要である」という考え方を示しつつ、具体的な施策として、「首長のリーダーシップの下で、産官学連携の推進体制(コンソーシアム)を構築し、当該推進体制が地域の中核的な産業の振興(ものづくり産業、観光業、農林水産業等)やその専地方大学・地域産業創生交付金等の概要門人材育成等の振興計画を策定できるものとする。そのうち地方創生の優れた事業として国が認定したものに対しては、新たな交付金により支援する」という内容が盛り込まれた。法案においても、この趣旨を反映したものとなっている。本稿では、平成30年1月11日に開催した「地方創生に関する都道府県・指定都市担当課長説明会」に配付した「地方大学・地域産業創生交付金等の取り扱い(案)について」※6の内容等を中心に、地方大学・地域産業創生交付金等(以下「本交付金」という)の概要を説明する。なお、本交付金の申請に当たっての主なポイントとしては、①各地域の強みや課題の所在を把握したうえで、地域の中核的産業として振興する分野や育成する人材像等が明確化されており、当該分野における生産額・雇用者数の増加、労働生産性の向上や、地元就職・起業等が期待できる計画であること、②コンソーシアムの主宰者たる首長を補佐する事業責任者として、産官学の強力な連携を構築し、計画案作成や事業実施において中心的な役割を果たすとともに、地域の自走が必要な期間も含めて、産官学の継続的なコミットメントを引き出すことができる十分な資質・経験を有する者を選定していること、③海外等から特定分野のトップレベルの人材を招へいしながら学部・学科や研究科を再編する等、魅力ある大学組織改革を伴う計画であること、④これらの取り組みにより、日本全国や世界中から学生が集まるような「キラリと光る地方大学づくり」が進むことが期待できること、⑤国による支援期間終了後は、地域の産官学の各主体が費用分担することで自走が可能であるような計画であること、と考えている。(1)事業スキーム本交付金は、首長のリーダーシップの下、産官学連携により、地域の中核的産業の振興や専門人材育成等を行う優れた取り組みを、重点的に支援するものである。これにより、地域の生産性の向上、若者の定着を促進するとともに、日本全国や世界中から学生が集まるような「キラリと光る地方大学づくり」を進め、学生の地方大学への進学を通じて、東京一極集中の是正を目指す。首長のリーダーシップの下で行う取り組みであるため、

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