カレッジマネジメント211号
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48リクルート カレッジマネジメント211 / Jul. - Aug. 2018された学科での学習に意欲を持てない学生が生じていた。こうした制度と学生との摩擦は留年率にも表れていた。これを1学科体制へと変更することにより、幅広く、かつ融合的に学べるようにしている。ミスマッチの解消が期待できるのみならず、学生が働き出す頃の社会を見据えれば、狭い分野を学ぶのではなく、情報理工学部では10コースを組み合わせて学んだり、経営学部では複数のドメインを統合的に学ぶことで得られるメリットも大きい。これだけの改革が進んでいる一方で、まだ結果に結びついていないものとして、寮整備が課題に挙がった。上述した新学部の設置とそれに伴う定員増は学生数の増加をもたらすが、予想以上のスピードに寮整備が追いついていないことを包み隠さず語ってくれた。こうした課題もあるものの、総じてこれらの改革が「思ったよりもうまくいっている」と大城学長は手応えを感じている。新学部の設置やその他の改革を受けてか、今年度の受験者数は、前年度の約55,000人から約65,000人に飛躍的に伸びた(延べ数)。そもそも5万人を超えたのが1978年以来30年以上ぶりであったのが、更に躍進する結果となった。この中には併願の学生が一定程度含まれているが、「ぜひとも京産大に来たい」という意識の表れとして捉えている。「うまくいっている」という手応えは京産大関係者の実感にとどまらない。周囲からもそうした声が届くようになってきた。しかしながら、そうした周囲からの評価にあぐらをかくことなく、冷静に自大学のポジショニングを把握し、次のステップを見据えようとしている。これまで進められてきた改革、そして、これから予定されている改革の根底には、「未来志向」や「先を見据えた組織づくり」という考え方がある。既に紹介してきた新学部の設置や施設設備の整備も、「先を見据えた組織づくり」によって結実したことである。徹底した現状把握の先に見据えているもの図3 「神山STYLE 2030」検証の基本プロセス図2 「神山STYLE 2030」策定フロー図2016年度~2020年度を改革期、2021年度~2025年度を発展期、2026年度~2030年度を充実期と位置づけ、単年度ごとの取組の進捗・実施報告を検証し、事業計画方針に反映させる。検証会議小委員会常任理事会常任理事会検証会議4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月2月3月進捗・実施報告目標値見直し検証結果通知事業計画確定・予算確定・進捗一覧表確定採否結果通知・事業計画・予算・進捗一覧表事業計画方針次期基本計画骨子策定プロジェクトグランドデザイン進捗検証委員会(中間・最終)神山STYLE 2030検証会議検証会議小委員会新グランドデザイン策定に向けた意見・提案の募集(教職員から意見)各種調査答申報告諮問常任理事会常任理事会新グランドデザイン検討委員会検討委員会答申に対する意見聴取 (教職員から意見)理事会新グランドデザイン『神山STYLE 2030』公表教育・学生支援作業部会社会貢献・地域連携・ステークホルダー連携作業部会広報・財務・組織・キャンパス計画作業部会研究改革作業部会

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