カレッジマネジメント211号
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7職の自動化確率大労働力不足大自動化は可能だが、質・コストの観点で、 従来からの労働力に頼る可能性が高いそもそも自動化が難しいうえ、問題として顕在化しにくい労働力不足が大きく、 自動化が進みやすい労働力不足が大きいが、 自動化が進みにくいAI・ロボットの導入サービスレベルの切り下げ新たな労働力 (外国人労働者等)の雇用and/orリクルート カレッジマネジメント211 / Jul. - Aug. 2018が深刻ではないため問題として顕在化しない。左上の領域は、自動化ができるとしても労働力不足が深刻ではなく働き手がいるため、質やコストの面で人力で賄うと想定される。注目されるのは右下、右上の領域である。右下の領域は、労働力不足が深刻でかつ自動化が難しいため人に頼らざるを得なく、新たな労働力を獲得しなければいけない。右上の領域は、デジタル技術によって自動化を促進していくことで労働力不足を解消することができるのではないかと期待される。一方で、サービスレベルの切り下げという視点もある。日本のサービスはおもてなしの心といわれることも多いが、果たして宅配便は1時間指定で朝から晩までいつでも荷物を届けられるものでなければいけないのか、コンビニエンスストアは24時間開いていなければいけないのか、過剰サービスを見直すことで労働力不足を補うという視点もある。量的な視点に加え質的な視点もある。荷物を家まで届けてくれるのではなく駅のロッカーに取りに行くことや、人のいない自動レジで商品を購入することというように、過剰なサービスレベルを見直すという方法も今議論になってきている。ある。人手不足に対する打ち手としてまず期待されるのは、女性や高齢者の就労参加であり、既に多くの議論と施策が打たれてきている。800万人の不足が200万人にまで軽減されるという大きなインパクトがあり推進が期待される。それでも足りない場合にどうするか、また、うまく就労促進が進まなかった場合にどうするか。野村総合研究所では人手不足に対する日本の選択として図1-2に整理をしている。横軸に労働力不足の大小、縦軸に職業の自動化可能性の大小をとっている。職業の自動化可能性とは、AIやロボット技術等のデジタル技術の進展により、今後仕事の自動化が進むと考えられるということである。左下の領域ではそもそも仕事の自動化が難しいうえ、労働力不足*1:満15歳以上の人口のうち、就業者、休業者、完全失業者の合計*2:仮定:経済ゼロ成長、労働参加率一定推移出所) 総務省統計局、労働政策研究・研修機構「平成27年 労働力需給の推計」 よりNRI作成14,00012,00010,0008,0006,0004,0002,00002014年(実績)2020年(予測)2030年(予測)12,7086,5876,3145,80012,41011,662(万人)総人口労働力人口労働力人口787万人減図1-1 日本の総人口と労働力人口※1の将来推計※22030年には、今から約800万人分の“労働力”が減少する図1-2 労働力不足に対する日本の選択労働力不足に直面する日本の多くの産業は、サービスを維持・拡大するために、これまでにないリソースを活用して、生産性もしくは労働力そのものを高める必要がある産業構造・就業構造の姿とは

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