カレッジマネジメント211号
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電光石火の輝き  日本初の女子水球公認プールとして2015年3月に完成した秀明大学の「ウォーターポロアリーナ」。この専用施設で練習を続けているのが女子水球部のメンバー達だ。2018年で創部4年目となるチームだが、創部1年目にして日本学生選手権(インカレ)初出場初優勝を達成後、3連覇を果たす。そして2017年第93回日本選手権水泳競技大会〈水球競技〉で念願の優勝を勝ち取り、まさに日本一の称号を手にした強豪なのだ。現在、18名の部員を率いるのがキャプテンの鈴木琴莉さん。「私は女子水球部の1期生で、8名で創部しました。秀明大学の付属高校から私を含めた4名が入部し、高校時代から指導を受けてきた加藤監督の元、新しい水球部を創ってきました」。鈴木さんと水球の出会いは地元山形県で小学5年生の時に所属した水球クラブから始まったという。特に泳ぎが得意なわけではなかったそうだが、水球独特の動きやスピード感に惹かれていった。「水球はよく水中の格闘技と言われていますが、それだけではなく〝球技〞である以上、ボールゲームとしてのスピード感も大きな魅力なのです」と鈴木さんは語る。その独自のスピード感をさらに磨くため、オーストラリアへの水球武者修行ともいえる4カ月のホームステイにもチャレンジしてきた。「日本の学生の水球選手を受け入れてくれる現地のクラブチームにアテンドし、体の大きなオーストラリアの選手たちと練習を積んできました。言葉よりもプレーすることで通じ合うことを感じました」。こうした経験も積み重ねた秀明大学の選手から日本代表合宿に7名が参加している。まさに2020年東京オリンピックの主力選手として活躍していく可能性を秘めた選手達なのだ。秀明大学の水球は、電光石火のカウンターだという。相手との攻防においても、戦況の判断力においても、すべてがスピード感あふれる戦術を得意としている。鍛え抜かれた彼女達の「電光石火の輝き」が放たれたその先に、日本女子水球界の新たな歴史が刻まれるはずだ。  (写真・文/西山俊哉)鈴木琴莉 さん(総合経営学部企業経営学科4年)学生のリーダー秀明大学 女子水球部当代当代Vol.73

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