カレッジマネジメント212号
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50リクルート カレッジマネジメント212 / Sep. - Oct. 2018たが、それを主導したのは、法人理事会の下に新たに設置された「企画委員会」だ。メンバーは、総務担当常任理事を委員長に、常任理事、学長、副学長、中・高校長、榴ケ岡高校長、幼稚園長、法人事務局長、部長ら15名程度で構成された。ただ、TGGV150の実質的な原案作成は、同委員会の下に8名からなる「作業部会」を作って進められた。そのサブチーフを務めた原田善教点検・評価担当副学長(当時は学務担当副学長)によれば、作業部会で検討・作成した原案を企画委員会との間で何度も往復させながら、最終的に理事会で承認される形に仕上げていったという。こうして2016年から動き出したTGGV150は、創立150周年に当たる20年後の2036年を見据えつつ、東北学院全体についてブランド力のさらなる強化を目指すものだ。「新しいTGブランドの確立」を基本戦略とし、期間全体を通したビジョンとして「ゆたかに学び 地域へ世界へ─よく生きる心が育つ東北学院─」を掲げる。TGGV150が対象とする20年間は、ビジョンの実現とTGブランド確立を目標に、第Ⅰ期〜第Ⅳ期の4つの中期計画期間(各5カ年)に区分されている。例えば、第Ⅰ期の基本施策は図表2の通りだ。当該5年間で達成する施策が、「教育・研究」「社会貢献」「教育環境」「組織運営」「学生・生徒募集、広報」の5領域で整理されており、そのうえで、法人、大学、中学校・高校、榴ケ岡高校、幼稚園等がそれぞれに中期計画を策定する構造となっている。さらに、この中期計画とは別に、安定的財源の確保、収支の均衡、適正な経費配分を目指した財政運営基本方針である「中期財政フレーム」(各3カ年)が動いており、中期計画の実施を支える財政的裏付けも担保されている。それでは、こうして設定された各期の基本政策は、いかに具体的な取り組み内容に落とし込まれ、実施に移されるのか。さらに、その進捗はいかなる体制の下でチェックされているのか。大学について見ると、そのプロセスは次の通りだ。大学では、この第Ⅰ期に体系的・一体的な3ポリシー(DP・CP・AP)を新たに策定・実行し、高大接続教育の充実による大学教育の質的転換を最重要課題とする一方、5領域にわたって80の実施項目(教育・研究25、社会貢献8、教育環境24、組織運営14、学生・生徒募集・広報9)が設定されている。これらは、学内の各関連部署によって年度ごとの具体的な事業計画に落とし込まれるが、さらに企画委員会が一覧表に収集・整理し、学長・副学長が各事業について予算化の必要性を検討する。その検討結果は、その後再び企画委員会に戻され、財務部が予算化することで各年度の事業計画が固まり、実施に移されていく。進捗については、実施責任を有する学部や部署がその実施状況を毎年主体的にチェックし、各現場から上がってきた結果を企画委員会が大学学長室インスティテューショナル・リサーチ(IR)課によるデータを用いながら精査するという手順がとられている。もし企画委員会において実施・進捗に問題があると判断されれば、次年度予算化されないこともあるのだという。こうして、企画―財務―実施に係る各部署の間を往還させることによって、最終的に5年間の中期計画できちんと事業が達成されるよう促しているというわけだ(図表3)。さらに、毎年度の事業計画に関しては、学長によって大学全体と5つの領域別に重点項目が設定されていて、それらは、学長が議長を務め、学部長や領域基本施策教育・研究●よく生きようとする心を育て、支える教育を続ける●社会的ニーズにいち早く対応した教育体制・プログラムを整える●教育成果に関する質保証のためのシステムを構築し、機能させる●学生・生徒の満足度を高め、愛される学校となる●学生・生徒の主体的・能動的な学習への支援態勢を整える●質が高く、特色ある研究を推進する社会貢献●開かれた学校として地域社会の多様なニーズに幅広く対応する●地域と連携した取り組みを推進する教育環境●快適な教育・学生生活環境を整える●学生・生徒の多様なニーズに対応したきめ細かい支援を行う組織運営●新たな価値を創造する、イノベーティブな組織文化を育てる●ガバナンス体制を整え、迅速で責任ある決定を行う学生・生徒募集、広報●多様で優秀な学生・生徒を受け入れる●東北学院全体としてのブランド発信力を強化する図表2 TGGV150第Ⅰ期が掲げる5つの領域と基本施策

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