カレッジマネジメント212号
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57材向けの研修プログラムを開発・実施するとともに、当該研修修了者の大学等へのマッチングを行う仕組みを構築する。■ 多様で質の高い教育プログラム各大学が多様な教育プログラムを提供できるよう、時代の変化に応じ、迅速かつ柔軟なプログラム編成を可能とするための制度改正を行う。具体的には、「学部等の組織の枠を越えた学位プログラム」を、これまでの学部等とは異なる新たな類型として設置できるよう、制度上位置付けることとする。大学が教員のエフォート管理を適正に行うことを前提としたうえで、一人の教員についてプログラム担当と学部等担当の両方を担う専任教員として取り扱うことを設置基準上可能とする等、既存の学部等の資源を結集し、機動的で学部横断的な教育課程を編成できるようにする。加えて、複数の大学の人的・物的リソースを効果的に活用することで、一つの大学で対応するよりも豊富で、多様な教育プログラムを提供することができるよう、単位互換制度の運用の改善も行う。■ 多様な学生日本人が18歳で入学するという従来のモデルから脱却し、社会人や留学生を積極的に受け入れる体質転換を進めるための取り組みが必要である。具体的には、社会人受け入れに関して、大学と産業界が連携し、産業界のニーズを踏まえた実践的なリカレント・プログラムを先行開発し、全国の拠点となる大学で実施するとともに、全国展開することとする。また、履修証明制度(「職業実践力育成プログラム」を含む)において、プログラムの水準等の公表を推進するとともに、60時間以上のプログラムも認定対象(現行は120時間以上)とする制度改正を行う。これらに加えて、単位累積加算制度の利用促進も実施する。また、優秀な留学生を獲得するために、日本語教育や卒業後の就職機会も含めた日本への留学に関する情報を発信する海外拠点の構築や、渡日前の入学許可実施に向けた留学生の共通試験「日本留学試験」の海外での利用促進、大学での日本語準備教育の設置を促進する。なお、大学の国際化に対応するため、18歳に達しないと大学入学資格が認められない年齢要件の一部撤廃等、大学入学資格の一部を見直す。■ 多様性を受け止めるガバナンス「多様な価値観が集まるキャンパス」を実現していくためには、それを支えるガバナンスが重要であり、異なる大学・法人間での様々な人的・物的リソースを効果的に発揮した、柔軟で多様な対応を可能としていく。具体的には、「一法人一大学となっている国立大学のあり方の見直し」、「私立大学における学部単位等での事業譲渡の円滑化」、「国公私立の枠組みを越えた大学等の連携や機能分担を促進する制度の創設」等、大学等の連携・統合を円滑に進めることができる仕組みを検討し、必要な制度改正を行う。教育の質の保証については、積極的に改善の努力を行っている大学等があるのも事実であるが、こうした大学等と改善の努力が不十分な大学等に二極化しており、全体として社会から十分な信頼が得られているとは言い難い状況である。こうした状況について、社会からの説明を求める声が厳しく(2)教育の質の保証と情報公表リクルート カレッジマネジメント212 / Sep. - Oct. 2018図1 国公私を通じた大学の連携・統合✓各大学の強みを活かした連携により、地域における高等教育を強化✓参加する大学等の機能の分担及び教育研究や事務の連携を推進 (教養教育における連携や事務の共同実施、教職員の人事交流などを想定)国立大学法人各法人が「社員」として参加公立大学法人学校法人(私立大学)研究開発法人(一般社団法人)○○大学等連携推進法人大学等の機能の分担や連携を推進するための方針を決定社員総会意見具申大学等連携推進評議会文部科学大臣認定大学等連携推進法人(仮称)イメージ●地域ごとの大学進学率・進学者数等の将来推計●地域ごとの特性や産業構造等を踏まえた将来の人材ニーズの見込み●将来の人材ニーズに対応した、大学等の規模・分野・配置のあり方(国公私立の役割分担、私立大学の公立化の是非の検討等を含む。)●国公私の枠組みを超えた連携・統合の可能性●卒業生の地元定着を促進するための教育プログラムや産業界とのマッチング●18歳学生だけではない多様な学生の受け入れ●地域の教育、研究、文化拠点としての役割 等≪ガイドラインに盛り込む事項(案)≫大学等地方公共団体産業界地域連携プラットフォーム(仮称)さらに発展2040年に向けた将来構想の行方 Vol.1

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