カレッジマネジメント213号
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19リクルート カレッジマネジメント213 / Nov. - Dec. 2018南、札幌北、札幌西、札幌東の公立高校トップ4校の他、私立の札幌第一高等学校、札幌光星高等学校、北海高等学校、札幌日本大学高等学校、立命館慶祥高等学校の受験生が多く、各校は上位コースが充実してきているという。なお、中学受験では北嶺中学校が東大・難関医大への進学実績が高く、首都圏出張入試の人気も上昇している。市立札幌開成中等教育学校がSSH、SGH双方の指定校となり、IB認証校としてスタートしている。実は育伸社の前記資料から各都県の偏差値別公立高校合格率を作成したところ、北海道の公立高上位校は75%。故に私学上位コースの充実ニーズがある。さらに言えば高知県を除く地方のほとんどは公立優位にありながらも、中堅公立高校の合格率は手元の試算によればほぼ80%台後半になった。まして都市部中心に就学支援金が手厚くなるに従い公立中位校は大阪、そして東京がそうであったように私立に生徒を奪われる状況にある。●さて、ここまで中学高校入試の現状の一端を記してきたが、今後急速に入試プレッシャーによる学力選抜は大半の学力レベルから形骸化し内実を失っていくはずだ。そのなかで立教大学・松本茂教授から、SGHでの静岡県立三島北高校の豊かな実践をみて、「この学業を修めた学力の質ならば(指定校推薦ではなくSGH修了者に対して)進学を保証したい」という趣旨の感想をうかがった。これまでのように機会費用ともいうべき入試に膨大なコストをかけず、願わくば高等教育機関がSGHのような取り組みを通じて学力の質を支え、これを通じて進路を保証するという、社会学でいう「取り引き費用」をかけた接続方式に大きく転換していただくことを心から望みたい。(各県教委高校教育課及び富山育英センター、名進研、鯉城学園、英進館、土佐塾の先生方には取材のご協力を賜り記して感謝申し上げます。)試で行われていたところ、この数年、グローバル入試という名称等で必ずしも帰国子女に限らず一般入試の選択制として英語入試で行う学校が年々増加している。また帰国子女入試に新たに参入する学校もあって、選択的ではあるものの、中学入試における英語のウェイトは急速に高まっている。来年入試から慶應湘南藤沢中等部では英数国もしくは算国理社の選択制で英語入試を実施することが決まっており、上位校の一般入試では初めてのケースとなる。そしてそのレベルは、英語準一級クラスの問題設定であるようで、小学生もしくはそれ以前から何らかの英語環境にいた受験生を想定している。先行して選択制で実施している学校も何校かあり、いずれも同様の水準である。さて、全国に目を転じると高校募集の大きなトレンドの変化も見てとれる。表1は全国の塾教材老舗 育伸社が調べた高校募集学科コース名変更の全国集計だ。私立では国際系が大きく増え、公立では理数系が減少する一方、情報・文理系が増加していることが分かる※8。特に2022年度に実施される新学習指導要領では「探究」の名前がついた6科目が新設され、あわせて「総合的な時間」も「総合的な探究の時間」に変更され、まさに「探究」が前面に出される。この点で県下の山形東をはじめとする有力校6校に「探究科」と「探究コース」をこの4月に新設した山形県は特記すべきだろう。従来の普通科募集で1倍強であったのが、山形東で2.95倍になる等受験生の期待の大きさを示しているといえよう(表2)。紙幅がないため北海道の札幌圏の入試だけ最後に触れておきたい。地元大手の進学塾 練成会グループ・佐藤英俊教務企画部長によれば、上位校志向が高まり札幌※1開成教育グループ 入試情報室 学校・入試情報ブログより引用。https://www.kaisei-group.co.jp/nyushiblog/highschool/28808.html※2入試問題の概要は2018年大阪府公立学校入試問題より。https://resemom.jp/feature/public-highschool-exam/osaka/※3文科省高大接続特別部会第16回配付資料より。※4詳しくは森上教育研究所ウェブサイトに清水教授の分析を掲載予定。※5COLUMPON萩原渉氏、エデュケーショナルネットワーク藤川享氏による。※6CLUMPON萩原渉氏による。※7ベネッセコーポレーション浅野剛氏による。※8育伸社WEBサイト「入試情報最前線」https://www.ikushin.co.jp/school/より。偏差値60以上59~5554~5049~45北海道75.3%81.8%84.7%87.9%山形87.0%91.7%100.0%95.4%東京61.3%64.0%68.4%82.2%大阪76.6%78.3%77.1%85.5%特集未来の学生を育む高校の改革表2 2018年公立高校難度別推定合格率※育伸社公開データを利用し小社責任で作成

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