カレッジマネジメント213号
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202020年教育改革をキーワードに教育界は新たな局面を迎えている。学習指導要領の改定や大学入試制度の大幅な見直しはその最たるものであり、各教育機関にはフレキシブルな対応と時代に即した変革が求められる。少子高齢化によって子ども達の人口が減っていく昨今、教育の質に対する評価の比重が今後ますます高まっていくと推測されるなかで、私達N高等学校が切り拓く“教育の新しいカタチ”は教育界に一体何をもたらすのか。多様な個性を真正面から受け止め、どうすれば全ての子ども達が希望を持って活躍できるのかを、教育者の側も常に想像力を働かせて考えていかなければならない。常に変化する社会環境において、通信制高校が担う役割や責任は大きい。学校基本調査の統計データに目を向けると、その様相が見て取れる。2016年の調査結果によると全体の生徒数が年々減少しているなか、1990年のデータと比べて生徒数が増加しているのは全日制、定時制、通信制の3つのN高等学校設立の背景課程の内「通信制」だけなのである。その理由の一つとして考えられるのは「多様化する学びへのニーズ」への対応だ。そもそも通信制課程は、全日制・定時制の高校に通学することができない青少年に対して、通信の方法により高校教育を受ける機会を与えるという趣旨のもと創設されたものであり、主に働きながら学ぶ勤労青年が教育を受ける場としての役割が大きかった。しかし、時代の流れとともに社会情勢は大きく様変わりし、通信制課程に対するニーズにも変化が表れた。時間を有効に使いたい、好きなことを専門的に学びたい、研究や創作に没頭したいというように、子ども達の学びへのニーズ自体そのものが多様化してきているのだ。通信制高校は、そんな多様な思考や個性を持つ生徒達を広く受け入れることができる。2016年4月に開学したN高等学校は今年で3年目を迎え、ありがたいことに生徒数は7000名を超えるまでに増加した。通信制高校に対する根強いニーズを目の当たりにし、手応えを感じるとともに、教育機関としての責任の重大さを改めて実感している。新しい学習指導要領では、何ができるようになるのかを明確化し、①知識及び技能、②思考力、判断力、表現力等、③学びに向かう力、人間性等の三つの柱によって子ども達の「生きる力」を育む学びに主眼が置かれている。単純な知識の蓄積ではなく、子ども達が自分で考えて表現するような主体的かつ対話的で深い学びについてクローズアップされているのだ。では、一体なぜこのような学びが重要視されているのか。それには世の中が孕む「不確実性」が大きく関わっている。人生100年時代とも表現される現代において、産業構造の育成したい人材像リクルート カレッジマネジメント213 / Nov. - Dec. 2018通信制高校の新たな挑戦N高等学校の教育内容と目指す人材像N高等学校 校長奥平博一図1 学校基本調査による生徒数の推移(出所)文部科学省 「文部科学統計要覧(平成30年版)」http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/002/002b/1403130.htm0(万人)(万人)6050403020100600500400300200100195519601965197019751980198519901995200020052010201220132014201520162017定時制全日制通信制通信制高校
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