カレッジマネジメント213号
22/74
22リクルート カレッジマネジメント213 / Nov. - Dec. 2018高大接続改革は、①高等学校教育改革で、学力の3要素「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力・人間性」の確実な育成を図り、②大学教育改革で、3要素の更なる伸長を目指し、③大学入学者選抜改革で、その取り組みのために多面的・総合的評価を実現するという、三者一体の改革である。高等学校教育改革では、教育課程が見直され、「学習指導要領」が2018年3月に改訂された。学習・指導方法の改善と教師の指導力の向上に向け、「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善が推進される。多面的な評価の推進では、「高校生のための学びの基礎診断」の認定基準が策定され、指導要録参考様式の見直し等の動きも進む。大学入学者選抜改革では、2020年以降は、受験生の「学力の3要素」を多面的・総合的に評価する入試に転換する。国語・数学に記述式が導入され、英語の4技能評価のために民間の資格・検定試験が活用される。個別選抜の改善や調査書の様式変更もある。改善すべき点等の課題は山積していると考え、生徒を抱えた高等学校としても対応に苦慮している。しかし、目の前の生徒の「学力の3要素」を培う努力を停滞させるわけにはいかない。高大接続改革に取り組む高等学校の今を紹介する。「グローバル社会」「生産年齢人口減少」「人工知能・ロこれからの社会と身につけさせたい能力ボット社会」の3つのキーワードが、これからの社会を端的に表現している。5年前から本校は、学校説明会の場で中学生とその保護者に、「未来の社会の変化を意識し、そこで活躍する生徒の育成を目指す高等学校」を強調してきた。今年も本校を志望する中学生達には、「グローバル社会とは、同じ職場で働く同僚が外国人であり、隣に住んでいる町会の人が外国人であるという社会です」と話す。そうした社会で生活していくには、共通言語の英語を使えることが必要となり、異なる文化を理解し共生する力が求められる。同じく「生産年齢人口減少ということは、働く人の人口が減少して、高齢者も労働力として期待され、外国人の職場進出も歓迎される社会です」「人工知能・ロボット社会とは、速く作業することや力を必要とする仕事は、ロボットの方が人間より何倍も優れていて、速く正確に大量にという仕事はロボットがする社会です」と続ける。そうした未来社会では、今ある職業がなくなったり、今ない職業が新たに生まれたり、職業そのものの変化と働き方の変化が生じる。そして、記憶力や検索力は、人工知能にとって代わられ、人間にしかできない、人間だからこそできる能力が求められる。本校は、それを「創造力」と呼んでいる。学習指導要領では、総合的な探究の時間、古典探究、地理探究を始めとして、「探究」とつく科目が新設された。それは、「生徒が各教科・科目等の特質に応じた見方・考え方を高等学校の一つの挑戦(1)「創造力」を育むプログラム 〜知的探究イノベーター「探究と創造」〜東京都立三田高等学校 校長(全国高等学校長協会 会長)笹 のぶえ新たな学力の3要素育成への転換と高校の今学力の3要素と高大接続改革高校の今
元のページ
../index.html#22