カレッジマネジメント213号
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25リクルート カレッジマネジメント213 / Nov. - Dec. 2018を利用する。担任は、教員端末から生徒の入力状況を確かめ、コメントを書き加えたり、集計したりできる。ただし、現在の東京都の成績処理システムでは、生徒が入力した情報を調査書の書式に直接取り込むことはできない。また、調査書を大学にそのまま送信する機能も完備していない。今後、外部と情報のやりとりが可能になるセキュリティシステムを構築し、生徒の学習記録が効果的に活用できるようになることを望む。多くの高等学校で、本校が取り組んでいるような試みを既に実施していると聞く。高等学校は、大学入試改革に対応するためだけではなく、未来の社会で生きて活躍する生徒に必要な能力を培うための教育活動を推進している。そうして、育まれた高校生が、高等教育機関で、さらにその能力を伸長する教育を受けることを期待する。「大学入試が変われば高校の学びが変わる」という表現もあながち誤りではない。しかし、大学入試に囚われずに、生徒に必要な指導として、生徒が求めることに応えることによって、生徒達の能力を伸長している高等学校も多くある。そして、その結果は、当然のことながら、大学入学の進学実績の向上にもつながっていることは間違いない。大学入学者選抜改革と大学教育改革が、高校生の3年間の学習の成果を適正に評価し、それを確実に伸長させ、未来に貢献できる有意な人材を育成するための改革になることを強く願う。結びにかえてる。数分で読了するディズニーの絵本でもよい。辞書を引かずに楽しみながら読む時間を確保する。英語を読むことの垣根がなくなった生徒は、英語学習そのものを楽しむことができるようになった。本校2年生は、2012年から、海外修学旅行を継続している。現地の高校生徒との学校交流の時間を、必ず確保する。同年代の外国の高校生と半日過ごすなかで、本校のほとんどの生徒は、それまで多少の自信を持っていた英語力がそれほどでもなかったことを実感する。「もっと使える英語を身につけなければならない」と、英語学習への意欲を刺激されて帰国する。入試のために学ぶ英語ではなく、知り合った外国の高校生とこれからも友情を育むために不可欠だから英語を学ぶというモチベーションは、学びの姿勢を変える。三田ESPA(三田高等学校English Summer Programs and Activities)も同じ効果がある。福島県のブリティッシュヒルズでの語学研修、校内でのスピーチやディベートに特化した英語研修、カナダ・バーノン学区でのホームスティを伴う語学研修である。生徒達に生きた英語を使う環境を提供し、英語力の不足を実感させる場である。1年から3年生まで継続して英語の授業で、スピーチやディベートを実践している。語彙や文法力も身につき、一般常識等の土台となる知識も増えた3年生では、表現活動の質そのものが高まる。表現する技法と表現する内容が一体となって成果を上げる。大学入試が変わらなくても、生徒が、語学の楽しさと必要性を実感して学べば、学習効果も高い。本校の生徒の英語力は、年々伸長している。それと連動して、進学実績も向上している。多様な評価を実施する方策として、調査書様式の改訂が計画されている。本校では、生徒自らにも、学習履歴の蓄積を促し、学習管理システムを導入した。模擬試験の結果を記録するだけでなく、講演の記録メモ、行事の感想、授業評価アンケート、校外学習の記録のための写真の集積、もちろん取得資格・検定の記録を、生徒は所有するスマートフォンで学習管理システムに入力する。東京都のBYOD研究事業指定校※1として、校内Wi-Fi(4)学習履歴の蓄積※1Wi-Fi環境を普通教室に整備し、生徒の所有するICT機器を活用した学習支援等を実施することの有効性を検証し、導入時及び運用における課題の解決の方向性を検討することを目的に東京都教育委員会が7校を指定。(BYOD:Bring Your Own Device)特集未来の学生を育む高校の改革図表3 三田高等学校の進学実績向上グラフ2017~2018年2015~2016年2013~2014年2011~2012年2009~2010年2007~2008年191134781357197447024493482早稲田・慶應義塾・上智・東京理科大学国公立大学(人)
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