カレッジマネジメント213号
26/74
26“Be Gentlemen.”(紳士たれ)、これが聖光学院のモットーである。カトリックのキリスト教教育修士会によって設立され、横浜市にある中高一貫の男子校である聖光学院は、今や、屈指の進学校としてその名声は全国にとどろいている。図1にみるように、中学校の入試は狭き門である。しかし、ただの受験進学校でない。「中高の6年間をこの学校に来て楽しいという時間にしたい。そのためには生徒達が学校生活の様々な場面で成功体験を得ることが重要であり、そうすることによって人生のフェーズにあった生き方を選び取れる人「財」になってほしい。それが本校の願いです」。工藤誠一校長はエネルギッシュに語られる。工藤校長は2004年以来、校長として聖光学院をリードされているが、そもそも聖光学院の卒業生であり、大学卒業後に社会科教諭として赴任し、その後、事務長、教頭を経て現在に至る。聖光学院を隅々まで知り尽くしたうえで、“Be Gentlemen.”の理念を守り続け、それをどのような形で実現するかに一身を投じてこられた。Gentlemenとは、精神的価値を物質的価値よりも優位におき、万人を愛し、奉仕と献身の精神を持つ人物と、規定されている教育理念から読み解くことができる。では、このGentlemenを、どのようにして育むのだろうか。筆者の見立てによれば、聖光学院における教育には、大きく分けて3つの柱がある。第1は国際教育、第2は、体験教育・感性教育、第3は、課題設定・解決能力育成教育である(図2)。長く力を入れてきたのが、グローバル・リーダーの育成を目指す国際教育である。日本のプレゼンスの低下、アジア社会の伸長。この危機に対処するためには英語で勝負ができるかにかかる。「全ての者がグローバル・リーダーになれるわけではありません。でも10%でもよいのです。世界に出て戦う者を育成しないと、日本の将来は危ういです」と考える校長のもと、従来からのカナダホームステイ旅行やニュージーランドターム短期留学に加え、現在ではボストン・Entrepreneurship研修やセブ島英語研修、ネグロス英語研修等が設けられている。ホームステイや語学研修は中学3年の春や夏の休暇を利用して2〜3週間派遣する。国内のプログラムのEnglish Campではアメリカの大学生を学校に招いての、中学3年生から高校2年生までを対象とした数日間の研修会である。英語漬けになり、英語でサバイバルする環境の中で、英語力を伸ばそうという試みである。2018年度のこれらのプログラムへの参加者数は168人である(表1)。1学年がおおよそ230人であるから、単純計算して学年の75%程度が参加していることになり、かなりの人数である。国際教育リクルート カレッジマネジメント213 / Nov. - Dec. 2018リベラル・アーツで育むジェントルマン工藤誠一 校長図1 3か年中学入試状況学校所在地:神奈川県横浜市進路状況:大学182人、浪人66人、短期大学0人、専門学校0人、 就職0人、その他0人(2018年3月卒業実績) DATA2018年度2017年度2016年度第1回第2回帰国生第1回第2回帰国生第1回第2回帰国生募集人数17550若干名17550若干名17550若干名応募者数673638138695777148742857126受験者数640501134645532146703597122合格者数240101342421014424110034聖光学院中学校高等学校CASE1“Be Gentlemen.”
元のページ
../index.html#26