カレッジマネジメント213号
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28リクルート カレッジマネジメント213 / Nov. - Dec. 2018か。それは、モットーとするGentlemenになるためである。教科の枠に縛られず幅広く学び、現実の社会を体験することで、他者を愛し奉仕の精神を養う、感性を育むことで、精神的価値を物質的価値の上位とする精神を養う。こうした意味がこめられているように思えてならない。芸術には世界的な普遍性があり国際性の育成にも通用する。古典古代のGentlemenは芸術を愛したというではないか。第3の特色が、自ら課題を設定しその解決策を考える教育であるが、これは2017年度からSSHに採択されたことが契機となっている。SSHに向けて中学1・2年では理科の授業で実験の作法を学び、中学3年では「探究基礎」という授業において、統計の基礎とデザイン思考を学ぶ。高校1・2年では、週1回の授業「探究」における小グループで問題関心の共有・先行研究の検討、課題解決という、まさに研究の手順を踏むプロセスを経験する。その成果を発表するというものである。SSHと言えば理数系のイメージが強いが、聖光学院ではScienceを字義通りの科学と捉え、人文科学や社会科学も含め全ての生徒を対象にして行っている。ここで大事なのは、成果発表である。SSHに採択された高校間での発表会はもちろんのこと、それにとどまらず、研究成果の英語での発表ということで、マレーシアやシン課題設定・解決能力の育成教育ガポールでの発表、立命館高校主催のJSSFにおける英語発表、電気通信大学や東京工業大学での発表等、ここでもグローバル・リーダーの育成が目指されている。この探求の授業とその成果発表とは、大学における研究や社会で仕事をすることの先取りである。大学受験までの教育や学習は、疑うことをせずに知識を吸収し素早く正解にたどり着けば、一定の成果を得ることができる。しかしながら、大学教育においてはそうはいかない。自ら問い、その問いに自ら答えを見いだすというプロセスが求められる。そして、それができる者は、大学においてだけではなく、職業人になったときに大きくその効果を発揮することができる。仕事をするということは、答えが決まっていない問題に答えを出すことであるからだ。これは、社会のリーダーとしての役割を課されているGentlemenにこそ求められるものである。ところで、SSH採択に当たって工藤校長からは面白い打ち明け話をうかがった。文部科学省の担当職員から、SSHに採択されると受験勉強に直結しない活動に時間を割かねばならないので、進学実績を落としかねないが、それでも大丈夫ですかと聞かれたという。校長は一笑に付したそうだが、受験勉強以外のことをやっていては大学進学ができないというのが世間の常識であることを、改めて知るエピソードである。これだけの授業外活動をやっても進学実績が上がっているという現実をみると、通常の時間割の授業がどのように実施されているか、そこに興味が向く。英語に関しては、授業時間が多いことや会話の授業が設定されていることを記したが、ほかの教科に関してはどうなのだろう。恐らく6年間のシステマティックな授業構成がなされていないと、授業時間外の諸活動が意味を持たないのではと考える。多くの学校と異なるのは、6年間を2年ごとに前期・中期・後期と分けて2年のまとまりとし、それをシームレスに接特色ある通常の授業表2 2017年度 自然科学全般に関わる聖光塾実施講座と参加人数※-は募集学年対象外 ※2017年度は26講座を実施し、のべ1072名の生徒が参加/うち中1・2の生徒でのべ869名中1中2中3高1高2合計他中学・高校里山の自然77----77-海辺の生物742---76-蛍の光を手のひらに19410024-ロボットを作ろう。動かそう。-5230055-フライフィッシング入門-1451020-レゴブロック数学94----94-シリアスプレイ392565075-宇宙エレベータープロジェクト40310044-タンパク質で発電できるか--184022-知らなかったガラスの話511770075-DNA鑑定18501024-立体裁断模型44----44-ITプログラミングキャンプ193921518540医学を志す--4811380人工知能とロボットの最先端--1220146ヘアケアの科学--450912薬はどうして効くのだろう--830116合計(延べ人数)47516190342762144

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