カレッジマネジメント213号
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302022年度から高等学校で実施される新学習指導要領では、従来の知識偏重を脱し、「思考力・判断力・表現力」を育成することに狙いが置かれることになる。学習内容を深く理解し、社会や生活で活用できるようになること、つまりは「主体的・対話的で深い学び」が目指される。27科目にわたって科目の新設や見直しが行われ、その核となるのが「探究」だ。「総合的な学習の時間」が「総合的な探究の時間」(総合探究)へと名称変更される点に象徴的に示されているように、今後「探究」への焦点化が進むことになる。本稿では、そんな状況に先んじて実践を行ってきた事例に注目したい。大阪府教育センター附属高等学校(以下、教育センター附属高)は、「探究ナビ」と呼ばれる独自科目を設置し、教科横断的な学習や課題発見・解決能力の育成に努めてきた。大阪市住吉区にある同校を訪ね、喜多英一校長、宮田早永子教頭、酒井将平教諭にお話をうかがった。教育センター附属高は、その名称が示唆するように、大阪府の教職員向け研修や教育に関する調査・研究を担う「教育センター」の附属高校だ。2011年、かつて大阪府立大和川高校が立地してきた敷地に設立され、今年8年目を迎えた。同校は、「共に学び、共に敬い、共に高まる」をスローガンに掲げ、「新たな学びを創造する学校」として実践を展開してきた。同校の強みは、隣接する教育センターの研修機能や研究機能を活用した教育活動を実践できる点にある。大阪の教育を先導する「ナビゲーションスクール」として位置づけられていて、教育センターの研究成果を活かしながら、大阪の教育課題を踏まえた実践・研究の推進、教員の指導力向上を図っていく役割を担っている。ナビゲーションスクールとは、①大阪の教育を先導する学校、②生徒の夢や志をはぐくむ教育実践、③学力向上を促進する質の高い授業、④充実した教育環境の構築、の4つの理念を掲げる学校のことだ。それゆえ、教育の調査研究機能を有する教育センターで開発されたプログラムをいち早く実践できる府立学校だと喜多校長は説明する。そうした利点を利用し、実践の成果を活かして大阪府内全体の教育の充実を図るとともに、その成果を全国に発信していくことも求められていると校長は語る。そんな役割を担う教育センター附属高が目指す教育像は、シンボルである四つ葉の「学びのクローバー」に配された「発見」「探究」「感動」「自信」によって象徴的に示されている(図1)。同校の教育・学習活動では、生徒達がこれら4つの側面をスパイラル的に経験しながら成長していくことが目指リクルート カレッジマネジメント213 / Nov. - Dec. 2018深い学びを可能にする教科横断型の「探究ナビ」を開発・実践喜多英一 校長 宮田早永子 教頭酒井将平 教諭学校所在地:大阪府大阪市進路状況:大学92名、短期大学36名、専門学校97名、 就職その他43名 (2018年3月実績) DATA大阪府教育センター附属高等学校CASE2大阪の教育を先導する「ナビゲーションスクール」
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