カレッジマネジメント213号
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44いわゆる高等教育の無償化については、2018年6月に文部科学省の「高等教育段階における負担軽減方策に関する専門家会議」の報告書、及びその内容を反映した「経済財政運営と改革の基本方針2018」(2018年6月15日閣議決定)が取りまとまり、制度の骨格が決定した。この新たな支援措置は、最終学歴により平均賃金に差があることや、低所得世帯の子どもの大学進学率が低い実態※1を踏まえ、貧困の連鎖を断ち切り、格差の固定化を防ぐため、家庭の経済状況に拘わらず、意欲さえあれば大学や専門学校等に進学できる社会へと変革することを目指すものであり、低所得世帯の真に必要な子ども達に限って、授業料減免と給付型奨学金の大幅拡充を行う。この支援措置は、少子化対策に資する観点から行うものであり、2019年10月に予定される消費税率10%への引き上げによる増収分を財源として活用し、2020年4月から実施することとしており、引き続き詳細な制度設計の検討を進めている。新たな支援措置では、授業料減免と給付型奨学金の対象をいずれも住民税非課税世帯(年収約270万円未満※2)及びそれに準ずる世帯とし、その概要は以下の通りである。①授業料減免国公立大学は、国立大学の授業料標準額(約54万円※3)を上限として減免、私立大学は、国立大学の授業料の標準具体的な制度設計について(1)負担軽減の対象範囲額に加え、概ね私立大学の授業料の平均額(約88万円※4)との差額の半分を加算した額を上限として減免する。1年生には入学金も支援する。また、短大、高等専門学校及び専門学校の授業料・入学金は、大学に準じて措置する。②給付型奨学金の大幅拡充給付型奨学金は、学業に専念するために必要な生活費を賄えるよう、学校種や自宅・自宅外等を勘案した定額を給付する。具体的な額は、他の学生や高校卒業後に働いている方との公平性も踏まえ、社会通念上妥当なものとなるよう精査中である。③住民税非課税世帯に準ずる世帯全体として支援の崖・谷間が生じないよう、住民税非課税世帯に準ずる世帯にも段階的に支援することとし、年収約300万円未満の世帯※2には住民税非課税世帯の学生に対する授業料減免額及び給付型奨学金支給額の3分の2の額を、年収約300 万円から年収約380 万円未満の世帯※2には同じく3分の1の額を支援する。支援対象者は、高校の成績だけで否定的な判断をせず、レポート提出や面談等により進学意欲や目的を確認する。他方、大学等への進学後は、学習状況等について一定の要件を課し、満たない場合には支給しない。具体的には、1年間に取得が必要な単位数の6割以下の単位数しか取得していないときやGPA(平均成績)等を用いた客観的指標により成績が下位4分の1に属するときは、当該学生に対して大学等から警告を行い、警告を連続で受けたとき、退学処分・停学処分等を受けたときは、支給を打ち切る。なお、警告を受けたり、支給しないこととされた学生数やその事由等については、大学等ごとに公表する予定である。(2)支援対象者の要件リクルート カレッジマネジメント213 / Nov. - Dec. 2018高等教育の負担軽減の具体的方策について高等教育の負担軽減方策の趣旨と現状滝波 泰文部科学省高等教育局主任大学改革官高等教育段階の教育費負担軽減新制度プロジェクトチーム
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