カレッジマネジメント213号
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52リクルート カレッジマネジメント213 / Nov. - Dec. 2018ビジネスを通じて世界へ奉仕本学は1889年、アメリカの宣教師W・R・ランバス初代院長が創立し、長らく英語による授業がカリキュラムの大半を占めていたことから「英語の関学」と称され、国際性を大きな特色としてきました。建学の精神は「キリスト教主義に基づく全人教育」で、ミッションは「“Mastery for Service”を体現する世界市民の育成」です。この世界市民には2つのモデルがあります。1つは創立者ランバス院長で、医療伝道で世界各地を巡った、今で言えば国連職員や国際公務員です。もう1つは、プロテスタントの精神に基づき「Mastery for Service」をスクールモットーとして提唱したC・L・J・ベーツ初代学長です。これはビジネスを通じて世界へ奉仕する人材モデルを意味します。関西学院の理想は、国際公共分野で活躍する人材と、ビジネスパーソンの育成。さらに、世界的な課題を解決できる「強さと品位」を持った真のグローバルリーダーを育てることです。コンピテンシーレベルで“主体性”を醸成社会のニーズが「知識」から「能力」へ変わってきた今、大学教育も大きな転換期を迎えています。OECD「Education 2030」の「21世紀型コンピテンシー」概念図では、知識を組み合わせて問題を発見・設定する能力や、コミュニケーション能力等の上に位置する、「価値観や態度」こそが重要であることを示しています。本学の場合、価値観は「Mastery for Service」ですが、態度は「主体的に学ぶ力」だと考えます。初等・中等教育をアクティブラーニングで学んできた生徒が、大学へ入って大教室での講義に満足するわけはありません。同じように主体的に学べる装置作りを整えていかねばなりません。本学は2016年度文部科学省「大学入学者選抜改革推進委託事業(主体性等分野)」の代表大学として、他7大学と連携して事業を推進してきました。他大学が入試科目の代表大学なのに対し、本学は主体性等分野の代表です。今回の高大接続改革がただの入試改革ではなく、大学教育の主体的な学びへと改革できるかが問わむらた・おさむ氏1955年生まれ1980年 関西学院大学経済学部卒業1985年 関西学院大学大学院経済学研究科博士課程後期課程単位取得退学1996年 関西学院大学経済学部教授2002年 関西学院大学教務部長2009年 関西学院大学経済学部長2012年 関西学院大学高等教育推進センター長2014年 関西学院大学長2017年 第9期中央教育審議会委員創立150年に向け「真に豊かな人生」のための「質の高い就労」を目指す関西学院大学 学長村田 治

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