カレッジマネジメント214号
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19リクルート カレッジマネジメント214 / Jan. - Feb. 2019入学者選抜の具体的方法は、もちろん各大学が主体的・自律的に決定するものであるが、国立大学協会では、国立大学全体としての基本的な考え方を示すとともに、大学及び受験生にとっての便宜を考慮した一定の秩序を形成するために、センター試験の利用のあり方、個別試験等の期日等を、従来から「基本方針」として示してきた。今回、大学入試センター試験が「大学入学共通テスト」に改められるなどの改革の動向を踏まえ、国立大学協会は、改革の基本理念を全ての国立大学が共有して取り組むとともに、受験生が見通しを持ち安心して準備に専念できるようにする観点から、2017年11月に、2020年度以降の国立大学の入学者選抜制度に関する「基本方針」を策定・公表した。また、共通テストの枠組みにおける英語の認定試験及び記述式問題の活用については、2018年3月に「ガイドライン」を、同年6月には「参考例等」を示した。それらのポイントは次の通りである。①共通テストの基本的な活用方法基本方針においては、従来のセンター試験と同様、一般選抜の第一次試験として、高等学校等における基礎的教国立大学協会の基本方針等(1)大学入学共通テストについて科・科目についての学習の達成度を測るため、全受験生に原則5教科7科目を課すこととした。②英語4技能の評価共通テストの枠組みにおいて、センターが認定した民間の資格・検定試験(認定試験)を活用する仕組みが設けられることに伴い、基本方針においては、この認定試験を一般選抜の全受験生に課すとともに、2023年度までは共通テストにおいて実施される英語試験も併せて課し、それらの結果を入学者選抜に活用することとした。ただし、2024年度以降に向けて認定試験の実施・定着状況とともに入学者選抜としての実効性などを十分に検証しつつ、大学入学者選抜における英語4技能評価のあり方について、引き続き検討していくこととしている。また、ガイドラインでは、1)受験生の受験機会の公平性を保証する観点から全ての認定試験を対象に活用すること、2)活用はⅰ一定水準以上の認定試験の結果を出願資格とする、ⅱCEFRによる対照表に基づき共通テストの英語試験の得点に加点する、ⅲこれらの双方を組み合わせるという3つの方法を基本とすることとした。具体的な方法については各大学・学部等が主体的に定めるものであるが、ⅰの出願資格とする際にはほかの教科・科目との関連性を踏まえて受験機会の確保に十分考慮すること、ⅱの加点する際の比重は英語4技能の総合的図1 2018年度入試形態別募集人員の割合図2 過去5年間の推薦・AO入試募集人員合計の割合の推移17.0(%)16.516.015.515.015.315.315.616.216.714.52014年度2015年度2016年度2017年度2018年度前期日程: 67.4%(64,289人)AO入試: 4.2%(4,046人)募集人員総数:95,327人その他: 0.5%(469人)後期日程: 15.4%(14,648人)推薦入試:12.5%(11,875人)※ 推薦・AO入試の募集定員増加に伴い、一般入試(前期日程・後期日程)の募集定員が減少している。特集 入学者選抜 改革の現状

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