カレッジマネジメント214号
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24リクルート カレッジマネジメント214 / Jan. - Feb. 2019以下のクラスであり、教育のあり方は大きく変わっている。そうした教育の変容のなかで、旧来の学力による選抜だけで対応することは難しい。そこで、全学組織として設置されている大学総合研究センターのIR部門では、入学から卒業までの学生の状況分析が進められており、学生の入学前の状況のデータをIRに活かすことでさらなる教育改革につなげていくことが意図されている。つまり、出願時に主体性について記載を求めることは、入試改革であるとともに、その情報の教育改革等への活用が含まれているのである。今回の早稲田の入試改革において、最も社会的関心を集めたのは、政治経済学部の変更点であった。「大学入学共通テスト」「英語外部検定試験と学部独自問題」を組み合わせた入試内容に変更するとともに、共通テストで「数学I・A」が必須科目とされたためである。これまでの私立文系政治経済学部での数学の必須化と学部独自問題3教科型から数学必須化への変更。沖教授はこの数学必須化について、「学部教育において必要で、入学前に求める能力として受験生・高校に明確に示すもの」としたうえで、「高校の必修科目はきちんと修得しておくべきであるというメッセージでもあります」と話す。本来大学での教育は、高校までの文系・理系の科目別に分かれた先にあるのではない。現在、政治学・経済学では統計学的アプローチが必須であり、特に、経済学科ではアドミッション・ポリシーにおいて、数理能力の必要性に言及している。本当は“数学Ⅲ”まで学習してくることが望ましいが、せめて基礎である“数学Ⅰ・A”はきちんと勉強してきてほしい、と位置づけた。なお、現在一般入試の選択科目には数学が含まれており、数学選択の受験生は全体の4割を超えているため、数学を必須にしてもそこまで受験者に影響はないだろうという判断もあったとのことである(図2参照)。また、各教科(外国語・国語・数学・選択科目)については共通テストを用いつつ、日英両言語による⻑文を読み解い図2 一般入学試験 選択科目別志願者数※ 上記の数字は大学入試センター試験利用入学試験を除く。※ 教育学部A 方式・B 方式、人間科学部文系方式・理系方式の%は、それぞれの志願者数に対する割合。学部地理政経日本史世界史数学国語物理化学生物地学合計政治経済志願者(%)1732(28)2006(32)2514(40)6252(100)法志願者(%)387(8)1854(36)1750(34)1199(23)5190(100)文化構想志願者(%)4997(53)4491(47)9488(100)文化構想(英語4 技能)志願者(%)526(40)793(60)1319(100)文志願者(%)4757(54)4124(46)8881(100)文(英語4 技能)志願者(%)390(42)541(58)931(100)教育志願者(%)文系学科、初等教育学専攻、複合文化学科(A方式選択者)理学科、数学科、初等教育学専攻、複合文化学科(B方式選択者)16997(100)256(2)848(6)7459(54)5306(38)1497(48)1161(37)428(14)42(1)商志願者(%)960(7)5793(41)4188(30)3173(23)14114(100)社会科志願者(%)863(7)5564(43)4181(32)2378(18)12986(100)人間科志願者(%)文系方式選択者理系方式選択者7110(100)495(9)2632(46)1625(28)960(17)626(45)588(42)184(13)スポーツ科志願者(%)608(33)1249(67)1857(100)国際教養志願者(%)584(27)1151(53)422(20)2157(100)
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